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[〖全年龄〗] 【原創】大正偶像浪漫「帝國スタア」 弐番星 勲 CV.野島健児[本篇台本 翻訳無]

发表于 2014-8-10 08:06:48 |阅读模式
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本帖最后由 Civien 于 2015-5-31 11:45 编辑
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有几处没听出来 yct19
[j]TTDGV RO289E[/j]希望大家见谅表嫌弃 若有失误还望多多包涵~m(_ _)m[j]TTDGV RO288M[/j]
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幕開き
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時は大正、舞台となるのは ここ日本、花の都 東京丸の内。今日は劇場、明日はデパート。第一次世界大戦による好景気をきっかけに、町に西洋文化が溢れ始めた頃。物語の始まりは もちろんご婦人方で賑わう大帝国劇場 ではなく、そこから少し離れた 小高い丘の上、豪奢に構えられた とある一軒の邸宅。そこへ、慌てた様子で駆け込む女(xing)が一人。何だ、騒がしい。おい、済んだなら、さっさと帰れよ。いい加減にしつこいぞ。あれだけ楽しませてやったのに。ふん?君、誰だ。っと、いきなり悲鳴とは、人を見るなりひどいな。ふん?はぁ~こんな寝乱れた格好で出たから、驚いたのか。ふん、男の肌を見たくらいで、初々しい反応だな。少しここで待ってろ。すぐに着替えてくる。話はそれからだ。言われた通り、いい子で待ってたみたいだな。先ほどは、あられもない格好で どうも失礼。ゆっくり さっきまで一緒にいたご婦人が また戻ってきたのかと勘違いしたんだよ。それにしても、僕に何の用かな、お嬢さん。この辺りは 江戸の昔から武家屋敷が建ち並ぶ、言わば高級住宅地。どう見ても、君はこの辺りのご令嬢って風貌じゃない。要するに、僕に用があって、わざわざ訪ねてきてくれたってわけだ。帝國スタアである僕を追って、家まで押しかけてくるなんて、ずいぶん積極的なお嬢さんだ。その袴姿、君はまだ 女学生?へえー、近頃は 皆挙って洋装にしたがるけど、着物や袴姿の女ってのも やっぱりいいもんだ。よく見ると、愛嬌があって、なかなか可愛らしい顔をしたお嬢さんじゃないか。悪くない、好きになりそうだ。ちょうど客が帰って、僕も退屈してたんだ。そういうわけで、邪魔者はいない。ほら、早く中に入れよ。楽しい時間にしようぜ。熱と痛みで、狂うくらいの時間にさ。深みのある黒髪、怪しげに笑う口元、逃がさないように回される腕。早くこの男から離れなければ、そう思っても、目を逸らすことすら ままなりません。底知れない泥沼のような 男の暗い瞳。危険な色に引き摺り込まれ、彼女と彼の物語は 幕を開けるのでございます
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今日は劇場、明日はデパート。第一次世界大戦による好景気をきっかけに、町に西洋文化が溢れ始めた頃。これは そんな大正の時代に輝いた青年たちの 恋の物語でございます。大正偶像浪漫 帝國スタア いざここに 開幕[j]TTDGV RO289R[/j]

[j]TTDGV RO289K[/j]第壱幕:スタアの本(xing)[j]TTDGV RO289X[/j]

[j]TTDGV RO288W[/j]さあ、可愛いお嬢さん 中へお入り。っと、男の腕を払いのけるなんて、思いのほか じゃじゃ馬娘だな、君は。 家まで押しかけといて、今さら怖くなったのか。けど、本当は君 期待してるんだろう。少しぐらい 強引にされたい。危険な遊びを楽しんでみたいって。黙っていても、女の本能は隠せない。ふふ、いいな、その怯えた瞳。そそられる。手酷く責め立てて、君の瞳から 涙が零れるところを見てみたい。ふん?なに、開演が迫ってる。は、もうこんな時間か。何だ、じゃ 君もしかして劇場の関係者?なら、早く言ってくれればいいだろう。まったく、人騒がせだな。見ない顔だけど、新しい付き人か何か。まあ、付き人でも、君がその気なら いつでもどうぞ。関係者の誼で一晩ぐらいは相手してやるよ。そんな気はない。そりゃ残念だな。で、君の自己紹介が まだのようだけど。ご存知の通り、僕は帝國スタアの弐番星勲。君は?はあ?君が 大帝國劇場の新しいオーナー?へえー、君の話なら、聞いてる。華族たちの間で、もっぱらの噂だからな。身分も金もない平民の女が、前オーナーを誑かしたって。彼が死んだのをいいことに、劇場を乗っ取ったんだろう。その噂の新オーナーが、自ら帝國スタアの僕を 家まで迎えに来てくれたってわけか。光栄だな。何だよ、隠さなくたって、いいんだぜ。僕は 君に会えるのを楽しみにしてたんだ。だって、そうだろう。女(xing)は太陽であった なんて女(xing)の権利を主張したところで、世のご婦人方に   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   なんてない。そんの中、女を   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に彼の大帝國劇場を手に入れた。興味が湧かないわけがない。誤解?そんなことしてないって。なんだ、違うのか。とんだ悪女がいたもんだとは楽しみだったってのに。まあ、確かに さっきの反応。ふふ~男を誑し込めるようには見えないか。期待の新人オーナーが まさか 男の   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   を目にしたくらいで、慌てふためくような初心な女学生だったとはなぁ。な、僕がさっきまで ここで何をしていたか、君には 分かったんじゃないのか。見たんだろう。僕の首筋に残った 赤い跡。ふふ~どうした。ずいぶん顔が赤いな。おまけに、すっかり大人しくなったもんだ。じゃじゃ馬はじゃじゃ馬らしく 振舞ってくれないと、面白くないだろう。さっきみたいにな。あ~、少し刺激を与えてやれば、暴れ回るかな。おっと、やっぱり 暴れ始めたか。真っ赤な顔で。僕に迫られて嫌がる女ってのは 珍しい。いい反応だな。チッ、もう12時か。さすがに そろそろ行かないと、舞台が始まるな。心配するなよ。車を呼べば、間に合う。幸い、金なら、腐るほどあるからな。ああ、おかげさまで、うちの海運会社は景気がいいんだよ。世間は不景気だなんだと騒ぎ始めてるが、あんなの冗談だろう。こっちはそろそろ使い道に困るほどだってのに。少し前なら、新華族なんて 所詮成り上がり者だとバカにされたが、今はもう状況が違うからな。それにしても、せっかく面白くなってきたってのに、残念なこった。本当はこのまま君と 続きを楽しみたいところだけど。舞台に   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   を開けるわけにはいかないんだね。舞台の上で演じ、歌い踊る僕を求めて、今日も帝國中から ご婦人方がわんさかまながってきてるんだろうしな。おかげさまで、僕ら帝國スタアの舞台は 連日の満員御礼。さて、今宵はどこぞのご婦人が 僕の相手をしてくれるのか、楽しみだ。反吐が出るほどね。そういうわけだから、君とのお楽しみは またの機会に取っておこうじゃないか。期待してるよ、オーナー。何だよ、つれないな。せっかく 誘ってやってるのに、逃げるなんて。けど、逃げる獲物ほど、追い詰めるのは楽しいもんだ。ふふ~ 誰だ?やっと見つけたぜ。オーナー、探してたんだ。まさか 荷物運びをさせられてるなんて、思わなかったな。へぇ、ジュースがダメになった?あ、落として割ったのか。いいじゃないか、そんなもの。どうせ売れ残りだろう?片付けなんて後にしろよ。それより、今日は朝から君のことばかり考えていた。舞台の上で演じてる最中も ずっと。本当だよ、客席の隅 控えている君を ずっと見てた。何度も目が合っただろう。気が付かなかっただなんて言わせない。なんで目を逸らすのかな。こっちを向けよ。ほら、動かないほうがいい。少しでも動いたら、唇が重なる距離なんだ。僕の目を見て、僕の声に耳を傾けてごらん。この熱っぽい視線と声。君だって、何も感じないわけじゃないだろう。っと、ふふ~ こういう手には乗らないか。平民の君には 愛を囁くより、分かりやすく 金のほうが魅力的に映るのかな。な、言ってみろよ。君のほしいもんなら、何だって与えてやるよ。ドレスだろうと、宝石だろうと、もちろん 甘い快楽だって。要らない?生真面目なもんだな。けど、そういう子のほうが、案外隙だらけだって知ってるか。ほら、こうやって簡単に 抱き締められるだろう。君 口付けをした経験は?今奪ってあげようか。息もできないくらい、深く。ふふ、怖いのか。心配しなくていい。すぐ 気持ちよくなって、理(xing)なんか焼き切れる。一度味わえば、病み付きになる。ほら、試しに耳朶でも甘噛みしてあげようか。ふふ、なんだ、気に入らなかったのか。それなら、別の場所だっていいさ。君の好きなところへ口付けてあげるよ。はあ、そんな説教を聞きたくないな。今の君なら、この劇場も、帝國スタアたちも、好きにできるってのに。本当 お固いもんだ。怒りながら、言い逃げ か。僕に向かって、真面目にやれ なんてね。オーナーって言ったって、高が女のくせに。まあ、いいさ。抵抗されるのは悪くない。ああいう骨のある女を 待ってたんだよ。その骨さえグズグズに溶けるくらい 狂わせたら、どんな顔で壊れていくのか。楽しみだ
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第弐幕:戯れの中で
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では、ご機嫌よう。分かっていると思うが、二度とここには来るな。ふん?こんな夜分に オーナーが僕の楽屋に来てくれるなんて、これは嬉しい誤算だ。今 走り去っていったご婦人?さあ、何だろうな。すごい物音がした?ふふ、どこから盗み聞いてたんだ。あの女が痛め付けられて、喘いでいた辺りか。真っ青になったな。なんだ、そこは聞いてなかったのか。何でもない、気にするなよ。それより、夜更けに人目を忍んで、何の用だ。施錠ついでに見回り?おかしなことを言うな。君みたいな女が劇場の見回りをしたところで、意味はないだろう。ほら、仮に もし不審な奴が潜んでいても、こうして君は いとも簡単に   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   を奪われてしまう。っと、なんだよ。抱き締めるくらい いいじゃないか。な、ほかの人間はもう帰ったんだろう。ふふ、僕と二人きりで、夜の劇場に取り残されたってわけだ。ん?僕は…そうだな。楽屋の後片付けで残ってたんだ。ふん、不用な物を整理するためにね。嘘なんてついてないぜ。終わったなら、早く帰れって?へえー、僕が残ってちゃ、君が帰れないわけだ。それは好都合。このまま帰れなくなっちまうか。ふふ、何を悶えてるんだ。そんなに僕に囁かれるのが嫌なのか。嫌じゃないんだろう、本当は。もう少しこのまま話でもしようか。そうすれば、君だって すぐによくなる。ああ、そうだ。オーナー、君は甘い物が好きか。シベリアがあるんだ。さっきの女が持ってきたんだが、甘い物は食う気がしなくさ。食べさせてやろうか。受け取れない?気にするなよ。どうせ、あの女に会うことは二度とないんだ。はあ?ふふ、まさか あれは恋人なんかじゃない。なんだよ、その目。ひょっとして、純な恋人同士だとでも思ったのか。ふん、バカバカしい。女の妄想は いつだって反吐が出るものばかりだな。初心なオーナー、教えてやろうか。男と女の関係なんて 現実には 爛れたものばかりだ。けど、悪いもんじゃない。割り切っちまえば、後腐れなく、気持ちよくなれる。今から それを実践してみようか。ふふ、怯えた目だな。まあ、今日は逃がしてやるよ、オーナー。けど、君だって すぐに分かる。恋だの、愛だのは快楽を貪るための建前だって
[j]TTDGV RO288T[/j]『いい加減、観念して口にするがいい。お前は見せられたのだ。それは偶然ではなく、必然なことにほかならない。どんなに願っても、時は止まらない。だからこそ、今 この瞬間が美しいのだ。』
[j]TTDGV RO289W[/j]お嬢さんたち、押すなって、順番だろう。心配しなくても、まだ時間はある。ちゃんと全員の花を受け取るまで、僕はここを離れないから。さあ、それじゃ 先頭のご婦人から こちらへ。せっかく お集まりいただいたんだ。無論 握手なら、応じるさ。もちろん それ以上でも。ああ、ありがとう。君も ありがとう。君も また来てほしいな。ああ、本田様じゃないか。もちろん 気がついてたとも。連日 ご観劇いただいて ありがとう。このまま夜の公演も 見ていただけるのかな。もちろん 存分に楽しませてあげるよ。場合によっては、その後も…ああ、それでは。っと、これで全員か。揃いも揃って 喧しいな。ふん?なんだ、オーナーか。何をご立腹なんだ。これも帝國スタアとしての仕事だろう。やり過ぎ?ふふ、そんなことないだろう。手を握っただけだ。口付けも、それ以上も、この場ではしていないのに。問題があるのか。はいはい、小言は止してくれ。大勢のご婦人方の相手をしたんだ。思いのほか 疲れた。少し寝てくる。夜公演までには 起きるよ。夕べあまりよく眠れなかったんだ。へぇ、なんだ、その顔。僕が夜中 何をしてたと思ったんだ?言ってみろよ。君が望むなら、想像通りのことをしてやろうか。相変わらずだな。まあ、いいさ。楽屋で寝ているから、時間になったら、起こしてくれ。あ、ただ 寝ぼけて押し倒しても、そりゃ事故だよな。なんだよ、ちゃんと起こしに来いよ。頼んだからな、ふふ。っ、やめて、キクエさん。なんだ、君か。もう こんな時間か。うたた寝のつもりが すっかり眠り込んぢまったみたいだな。は、何だか知らないが、最悪な気分だ。これから また舞台に立つような気分じゃない。嫌な夢?何の話だ。僕が魘されてた?はっ、キクエ、その名前…どうして。僕が寝言で口走ったって。その名前を?ははは、死んでから もうずいぶん経つってのに、まだ魘されるなんて。ふん、バカバカしい。君には関係ない人間だ。誰だっていいだろう。そんな女、どうでもいい。そんなことを言うもんじゃないって。女(xing)をぞんざいに扱うな?チッ、小言もここまで来ると鬱陶しいな。ぞんざいに扱ってなんかいないだろう。いつだって、女が喜ぶようにしてやってるじゃないか。君だって、直接感じてる分かるさ。なんなら、今してやろうか。やっぱり、嫌がるんだな。無理矢理はお嫌いか?けど、そういう純粋そうな女だって、落ちる時は落ちるもんだ。   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   する時は一瞬だ。君だって、強い刺激を味わっちまえば、普通の甘さなんて 耐えられなくなる。なに、心配すんなって。君のことも、ちゃんとよくしてやるよ。もう少し遊んでから、壊すつもりだったんだけどな。今は胸くそ悪くて、それどころじゃない。抵抗したければ、しろよ。泣いて叫ぶみたいに、ふふ。そういうほうが 楽しめる。ただ、一つ言っておく。あまり僕の機嫌を損ねないほうがいい。何をするか、分からないからな。はあ?劇場に圧力でも掛けるつもりかって?まさか、そんな脅しをしたって、面白くない。やるなら、劇場をボロボロにするより、君をズタズタにしたほうが 楽しいだろう。嫌がるなよ。悪いようにはしないって言ってるだろう。ほかのご婦人方なら、拒絶したりはしないぜ。それどころか、女はどいつもこいつも向こうから、色目をつかって 僕にすり寄ってくる。っ…あ、ここだ。分かってるよ、すぐに開ける。チッ、化粧師が来たようだ。そろそろ 支度の時間か。なんだ、ずいぶんほっとしたような顔だな。だが、いつまでも こうして逃げ通せると思うなよ。なんなら、今日の夜公演が終わり次第、続きを…と言いたいところだけどな。残念ながら、今夜はすでに先約があるんでね。さっき見てただろう。本田様ってご婦人さ。あの女はね、区議出身の奥方様でありながら、ふしだらで、貪欲で、なかなか面白い。他人の女だろうが、何だろうが、そんなこと僕には関係ないさ。悪いのは 夫がありながら、僕の誘いに乗ってくる女のほうだ。そうだろう。はあ?いいじゃないか。女の方だって喜んでる。それで不幸になったところで、知ったこっちゃない。うるさいな。その小言は…女のくせに。今に君だって分かるさ。いや、分からせてやるよ[j]TTDGV RO289M[/j]
   
[j]TTDGV RO288Z[/j]第参幕:狂気の前触れ[j]TTDGV RO289U[/j]
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いえいえ、いつも熱心に取材してくれて、記者の皆さんには頭が上がらないよ。ああ、はいはい。質問なら、手短にね。確かに今度の演目は トルストイの小説をもとにした 壮大なものだ。立ち回りも多くて演じ甲斐がある。早く皆さんにお見せしたいもんだ。とりわけ、華やかに着飾ったご婦人方には見てほしいな。彼女たちからの声援は 僕にとって 大層励みになるんでね。そこのお嬢さんたち、今日も遅くまで ありがとう。とまあ、皆さんのおかげで、今回の舞台にも声援が出るとでも書いといてくれ。じゃ、僕は そろそろ片付けがあるんで、失礼。ん?あれは オーナー?おい、オーナー。顔を見るなり避けるなんて、 これまたずいぶんな仕打ちだな。避けてなんかいない?へえー、そのわりには震えてるんだな。この前の一件から 警戒してるんだろう。ああ、それとも ひょっとして疼いているだけか。相変わらず つれない態度だな。女の分際で。なんだ?そんな言い方はよくない?小言は嫌いなんだ。やめろよ。へえー、僕が女(xing)を見下してるって。ご婦人方のことは 大切にしているって言っただろう。何を言ってるんだか。そうは見えない?ふふ、ははぁ、仕方ないじゃないか。蔑みたくもなるだろう。な、さっきロビーで僕に群がる女どもを見たか。いつもいつも、ああして開演前から終演後まで。は、ご苦労なことだよ。似合いもしない洋装で着飾って、化粧の匂いを撒き散らして、一斉に欲に塗れた色目を向けて…思い出すだけで、吐き気がする。誰も彼も ほんの少し優しくしてやっただけで、すぐだ。あっという間に 僕にどっぷり 浸かってきた。女っていうのは 本当に単純でバカばかりだよ。欲深くて汚らしい。僕が胸の内でせせら笑ってるのが知らないんだぜ。はは~別にいいだろう。本音でどう思っていようが、ちゃんと帝國スタアの時は 優しい男を演じてやってるんだし。それに、いつだって ご婦人方が喜ぶように扱ってやってるさ。優しい時も、ひどくする時も。そう、ひどくする時も。多いんだぜ、いたぶられて喜ぶような女は。君にも やってやろうか。また高尚な文句を垂れるんだな。チッ、鬱陶しい。避けてたわりに、突っかかってくるじゃないか。僕の本音を語れば、その綺麗事も崩れるかと思ったけど。しぶといな。そろそろ 面倒になってきた。チッ、人が来たか。なんだよ。何 警戒してるんだ。人目のある劇場内で おかしなことをするわけないだろう。今は な。今日も朝から派手派手しいご婦人方が ずいぶん詰め掛けてるな。どいつもこいつも 同じような顔を揃えて…は、気色悪い。そういえば、あの女が見当たらないな。おい、そこの照明係 オーナーはどうした。オーナー室にいる?一人で?へえー、そうか。いや、分かった。本当に部屋にいたんだな。オーナー、開演直前にも書類に向かって、お仕事か。なんだよ、ノックくらいいいだろう。そんな他人行儀の間柄でもあるまいし。いきなり 逃げ腰か。ずいぶん信用がないんだな、僕は。最近 僕を警戒してか。なかなか 一人にならなかっただろう。こういう時を待ってたんだよ。言い寄ってくる女は掃いて捨てるほどいるが、僕を避けるような女は珍しくてね。最初は興味本位だったんだ。君を快楽で狂わせたら、楽しくなりそうだろう。けど、気が変わった。君を 早くぶち壊してみたくなったよ。女(xing)に対して、不誠実だとか何とか。女の分際で、意見してくるのが目障りなんだよ。おっと、助けでも呼ぶつもりか。あいにく 開演前で 皆舞台袖だ。忙しくて、誰も気付けやしないぜ。ふん、なんだ。安っぽい花瓶だと思ったが、この花 デージー、雛菊か。菊の花なんて飾りやがって。嫌いなんだよ、菊は。は?嫌いな理由?っ、キクエの…あの女の名を口にするな!そうか、この花は僕への当て付けか。はあ?そんなつもりで飾ったわけじゃないって?あの女の名前が付く花を わざわざ飾っておいたか。無様に   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に散らかっても、心底目障りな花だ。こうして 踏み付けたくらいじゃ気が済まない。いっそ 跡形もなく消えてなくなる。女っては、いつもそうだ。壊して、突き落として、狂わせて…なのに、いくらやっても、次から次へと湧いてくる。なんだ。何か言い出そうな顔だな。逃げるなよ。本当のことを言えばいいじゃないか。好奇心抑えきれないんだろう。女は皆そうだ。欲に負けて、自分を律することができない。言えよ、知りたいんだろう。僕のことが気になって、仕方ないんだよな。そんなにあの女のことが知りたいなら、教えてやろうか。キクエっていうのは 僕を産んだ女の名前だ。はは~勘違いするな。僕に母親はいない。僕を産んだ女がいただけだ。意味が分からないか。まあ、普通はそうだろうな。それなら、別にかまわないさ。どっち道あの女はとっくの昔に死んだ。僕と親父 どちらのことも裏切り続けたまま。ね、あの女は 後先考えずバカで、自分勝手で、誰に対しても奔放だった。男を他所につくることだって戯れだね。おまけに、自分の息子にさえ。親父が何も気が付かないとでも思ったのか。親父も哀れなやつだな。哀れで、そして この上なくバカだ。あんな女をうっかり妻にしたばっかりに。未だに 僕と目を合わせようともしない。そのくせ、金だけはいくらでも寄越すところを見ると、一人息子の僕を見限るほどの度胸はないらしい。まあ、金に目敏い商売人の親父のことだ。帝國スタアになった僕の利用価値でも考えた結果かもな。大体、僕が本当に親父の子かどうかも怪しいもんだ。さて、満足したか。欲しい情報が得られて、前にも言っただろう。君のほしいものなら、何だって与えてやるってね。結局、君だって 浅ましい女なんだよ。貪欲で、だらしない。そのくせ、綺麗ぶったバカな女だ。違うって言うのか。たった、いいぜ。それなら、お相手しようじゃないか。試してやるよ。あ…なんだ、あんまり暴れるから、ランプが割れたじゃないか。さっきの悪趣味の花瓶と違って、しゃれたいいランプだったのに。ふん、どうせ君ではなく、死んだ先代のオーナーが買ったものだろう。君にこのランプの価値が分かるとは到底思えないからな。見てみろよ。この深みのある見事な赤、そこら辺の安物のガラス細工では出せない色味だ。血の色みたいに真っ赤だろう。細い首だな。もしも今、この割れて尖った破片を 力いっぱいここに突き立てたら、辺り一面がこんな赤色に染まる。さぞかし見物だろうな。まあ、君の中に流れる血がこんなに美しいはずがない。汚らわしい女の血だからな。ほら、触れただけで、感じるだろう。ガラスの冷たーい感触。これで喉元をなぞってやろうか。こうやって、ふふ~何を震えてるんだ。肌を傷付けないコツがあるんだよ。ほら、こうして なぞっても、痛みも何もないだろう。まあ、僕がほんの少し気まぐれを起こしたら、皮膚なんて簡単に破けるけどな。命を握られた状態での快楽、気持ちいいだろう。激しい恐怖や痛みと快楽を 同時に与え続けると、頭が錯乱していくんだ。そのうち、痛みも快楽も境目がなくなる。安心しろよ、すぐには壊さない。もっと君がだらしなく、崩れ去るまで。まだまだ 楽にはしてやらないさ。何をするつもりかって。ふふ、そうだな。ああ、いいところに人形が飾ってある。これは君が飾ったんだろう。安っぽいな。ほかのアンティークと違って、部屋で一つだけ浮いてる。僕はセルロイド製品が嫌いでね、鋳型さえ作ってしまえば、後は何百個でも、何千個でも同じ物が作れる。そういうのが好きじゃない。君のこの人形だって、同じ物が世の中にごまんとあるんだぜ。どいつもこいつも、まったく同じ青い目をして、同じ微笑みを湛えて。君だって、不気味に思わないか。僕はね、こういう人形どもの 体に纏ったものは すべて剥いで、快楽を与えてやって、身も心も壊してしまいたいんだよ。粉々になるくらいに。こうやって、壊してしまえば、こいつはもう人の形には戻らない。ほら、楽しいだろう。バラバラだ。醜くて、何の価値もない人形が。でも心配要らない、店に行けば、またすぐに 寸分違わぬ物が手に入るんだ。僕が君をどうしたいか、分かったかな。ふふ、ははは~ あ、雨が降ってきた。ご婦人方の集まりが悪くならなきゃいいけどな。壊す人形は、たくさんいたほうが面白いからな。はは、逃がすかよ[j]TTDGV RO288Z[/j]

[j]TTDGV RO289E[/j]第四幕:その瞳を舐めさせて
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こんなところに逃げ込むなんて、バカだな。倉庫なんて それこそ人が来ないじゃないか。それとも、今の僕をご婦人方や 裏方連中に見せるわけにはいかないって、そいうオーナーの気遣いか。いっちゃう前に 自尊心なんか持ち上がって、本当に鼻持ちならない。君みたいな女こそ、めちゃくちゃにしてやらなきゃ気が済まないんだよ。はぁ、これか?大道具用の資材だよ。ただの金属の棒だ。けど、思ったより振り回しやすいな。体力には自信があってさ。大立ち回りも得意なんだよ。こんなふうにさ。ふん!おい、どうした。しゃがみ込んでいる場合じゃないぞ。こっちを向けよ。な、女ってのは 皆一応に強欲だと思わないか。一晩相手をしただけで、どいつもこいつも もっともっとっとせがんでくる。どうにかして、僕を繋ぎ止めておこうと。縋り付いてくる。あまりにも無様で、むしろ 滑稽だ。見てるだけで笑える。けどな、本当に愉快なのは 切り捨てる時なんだぜ。思い上がって、調子に乗っている女を手酷く捨ててやるんだよ。屈辱に満ちた瞳と そこから流れる涙、最高じゃないか。僕を失うと知って、形振り構わず、取り乱す様が また堪らないんだ。ひどい?何を言うかと思えば。いつだって、自ら誘いに乗ってくるのは強欲な女の方だ。欲を達したばっかりに自分で身を滅ぼすんだ。そいつが後でどうなろうが、僕の知ったことじゃない。そうだろう。うるさい、その反抗的な態度も 初めは面白いと思ったけどな。飽きたんだよ。このじゃじゃ馬な…ほら、簡単に組み敷ける。女は不憫だな。なあ、この唇を好きでもない男にいいようにされたら、堪らなく屈辱的だろう。いいじゃないか、男女の関係なんて汚いものさ。苦しいのか、下手だな。それじゃ、窒息するぞ。ほら、もう一度。ふふ、男にいいようにされる気分はどうだ。まだ暴れるのか、無駄のことを…こうして 腕を捩上げられたら、さすがに動けないか。な、痛いか、まだ平気だよな。手加減してるんだからさ。簡単に折ったりはしないよ。行くか行かないかのぎりぎりの恐怖が一番気持ちいいんだ。な、あの人形のように、腕も足もバラバラにしてやろうか。怖いか、ほら、この状態で…肌を舐められるとわけが分からなくなってくるだろう。頭の中も、体も、快楽と恐怖と痛みで ぐちゃぐちゃになっちまえ。なんだ、その目は?平民の女風情が生意気だな。はぁ~そうだ、ならその目をいただくか。ね、君の瞳 舐めさせて。そしてたら、ふふ、楽しくなるからさ。さあ、もっと目を見開け。舐めてやるから。目を舐められるなんて、初めてだろう。そうだよな。繊細な粘膜に直接 舌が合うんだ。目の前いっぱいに滑った舌が広がって、捕食される恐怖と 粘膜を刺激される快楽が混ざり合う。怖いのか。それなら、我慢なんかしないで、泣いたっていいんだぜ。僕に味わわせてくれよ。恐怖と屈辱に満ちた女の涙をさ。ふん、頑張るね。さすがはじゃじゃ馬だ。それなら、味わってやるよ。僕を睨み付ける その傲慢で生意気な瞳を…どうだ、気持ちいいだろう。ほら、体が震えてるぞ。気持ち悪い?それは残念だな。なら、もう一つの瞳も…ふふ、なんで 目を瞑ってんだよ。お楽しみはこれからだってのに。さすがに 一度味わった恐怖心には 抗えなかったか、それとも 気持ちよくなりそうで怖いのか。ほら、目を開けろ。嫌なのか。それなら…目が開かないと、何をされるか分からないだろう。いいのか。どうだ、僕は最高に楽しいぜ。だって、ほら…君の理(xing)が少しずつ崩れてきた。もう 諦めろ。ほら、壊れちまえ。開演のベル。チッ、行くしかないか。は?いつか 痛い目に遭うだって?僕が?はあ、なんだ。今のことを新聞社にでも 訴えるつもりか。君みたいな平民の小娘の言うことなんて、一体誰が信じる。それどころか、逆に 帝國中のご婦人方を敵に回すだけだ。それより、ほら、耳を澄まさなくたって、聞こえてるだろう。今夜も僕のために集まった女が大勢いるんだぜ。頭も尻も軽い女たちが。舞台袖から見てればいい、帝國スタアである僕と 貪欲でバカな女どもの姿を
[j]TTDGV RO289I[/j]『ああ、私はなんて罪深きことをしねかしてしまったのだ。素直に彼女のことを信じていれば…』[j]TTDGV RO289O[/j]
こら、見ろ。女どもなんて所詮こんなもんだ。だから好きなのさ。そして、寒気がするほど嫌悪してるよ、この上なくバカで愚かな君たちのことをね[j]TTDGV RO288G[/j]
『願わくばこの愛を…』
[j]TTDGV RO289W[/j]、なんだ、君は。おい、一体 どうなってるんだ。本番中だぞ、見知らぬお嬢さん。なんたって、舞台の上に上がって、ナイフ!っ、あっ…な…んだ…くっ…は、な、お嬢さん、突然舞台に乱入してきたかと思えば、刃物なんか振り回して…一体どういうつもりかな。一体 何のことかと思えば、僕に遊ばれたせいで?ああ、なるほどね。そういうことか。ふふ、これだから、女は 嫌いなんだ。なんて醜…くっ…血が…止まらない。はあ、照明に照らされて、綺麗な赤だな。オーナー、おい、なんで出てきた…何をやってんだ、君は。取り押さえられるわけないだろう。相手は刃物を…おい、やめろ。…っ…
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[j]TTDGV RO2890[/j]第伍幕:癒される痛み
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[j]TTDGV RO2895[/j]もしもし、オーナーか、僕だ。なんだ、入院中だろうと、電話くらい掛けられる。は、刺された傷なんて、大したことはない。高が女のやったことだからな。そうは見えなかった?ふん、そういえば、真っ赤に染まった僕を見て、君はずいぶん青ざめていたものな。あのくらい軽傷だってのに。な、なぜあの時 舞台に飛び出してきた。相手は刃物を振り回していたんだぞ。一歩間違えば、殺されていても おかしくない。この劇場は私が守る場所だから ね。大変ご立派な志だな。女のくせに、そうやってオーナーづらをするわけだ。それで、深く考えもせずに飛び出してきたわけか。頭の弱い考え方だ。せいぜいあの狂った女を取り押さえてくれた 裏方の奴らに感謝しとけ。報酬でも弾んでおけばいい。オーナーとしてな。それより、用件を伝える。入院生活はもう仕舞いだ。こんな薬臭くて、硬いベッドになんか、いつもまでも寝ていられるか。今から 自宅療養にする。そのことを連絡しただけだ。じゃな。なんだよ。使用人?あいにく、僕はここ何年も一人暮らしてね。この先も 誰かを雇うつもりなんてない。へえー、僕が心配なのか。相変わらず 小うるさい女だな。ああ、それなら、君が様子を見に来たらいい。僕の元へ来られればの話だけどな。あれだけのことをされた後で、二人きりになるんだ。できるのか。は、できるわけがないだろうな。はあ?できる?へえー、それは見物だな。それなら、来いよ。先に家で待ってるぜ。僕の家の場所は よく分かってるよな。本当に来たのか。久しぶりだな、オーナー。横になったままで、失礼。しばらく見ない間に 窶れたな。まあ、上演中にあんな不祥事を起こしたあとだ。どうせ、後始末だ何だと 奔走してるんだろう。僕にとっちゃ自分で蒔いた種、それこそ自業自得だが。君は災難だったな。で、いつまで 扉の前に立ってるんだ。こっちへ来いよ。あああ、この屋敷には誰もいない。ここは僕が勝手に使っているただの別荘みたいなものだからな。本居は神戸にある。だから、今この屋敷にいるのは 君と僕だけだ。相変わらず、隙だらけだな。怪我人だからって、何もできないと思ったのか。そんなわけないだろう。まだ舞台に立つことはできなくたって、君みたいな女の一人くらい 捩じ伏せられる。な、会いたかったよ、オーナー。入院している間、ずっと君のことを考えていた。退院したら、一番に君に会って、今度こそ こうして組み敷いてやろう と思ってたんだ。僕が怪我を負って、気分がよかったか。前に君が言った通り、こうしてひどい目に遭ったじゃないか。しかも、舞台の上で、大勢が見守る中でだ。さぞかしいい気味だと思ってるんだろう。手を出した女に刺されるなんて、自業自得だ。女を見下して、バカにするからだってね。いいや、思ってる。今だって、内心嘲笑ってるだろう。だから、女は嫌いなんだ。女どもを見るたびに思い出す。その気配に仕草に いちいち浮かび上がって見えるんだよ。僕が生涯許すことができない。あの女の影が 腹いせに身代わりの女をどれだけひどい目に遭わせても、余計に虚しい闇が広がるばかりだった。けどさ、な、オーナー、ここまで 僕を手こずらせた女は 君が初めてだ。その君を無理矢理にでも ボロボロにしたら、このやりきれない思いを 少しは鎮められそうだよな。ふはは、どうして否定できる。やってみなければ、分からないじゃ…っ、いきなり 何するんだ。このじゃじゃ馬が…チッ、女風情に ベッドに押し付け返されるなんて。なんだ、その顔は。は、弱ってるわけがないだろう。傷口は塞がってるんだ。もうなんともない。大人しく寝ていろだって。なんだ、その口の利き方は。偉そうだな。ふん、興が醒めた。僕は寝る。さっさと帰れ。はあ?明日 また見舞いに来るつもりか。本当に 学習能力がないな。次こそ、体をめちゃくちゃにされても、言い訳はできないぞ。ふふ、よく言うぜ。あれだけ 僕に怯えて、避け続けたくせに。はは、何が何でも毎日来る。負けん気な強いじゃじゃ馬だ。今日だって、部屋に入るだけで、怖がってたのにさ。まあ、いい。毎日来るなら、それこそ 遊び甲斐もあるしな。おい、拭き掃除ぐらい もう少し静かにできないのか。こんなんじゃ、おちおち寝てもいられない。それに、雨が降ってきたみたいだぞ。さっき干していた選択物 早いとこ取り込みに行かないと、全部パアだ。あの女 本当に毎日やってくるなんて、何考えてる。しかも、身の回りの世話までして、使用人気取りか。僕が動けないのをいいことに 優越感にでも浸っているのか。そうか、洗濯物は濡らさずに 全部取り込めたと。それはよかった。こんな使用人まがいのことをいつまでするつもりだ。僕が快復するまで?役者の看病もオーナーの仕事の内 か。鬱陶しい。大体 君がこうやって 僕の家でお節介を焼いている間 劇場の方はどうなってる。へぇ、大丈夫。オーナー業もちゃんと両立できてるってわけか。はは、うさんくさいな。そもそも 人には向き不向きってもんがあるんだ。女の君に 劇場の経営なんて 端から向いてない。怒るなよ。君にできることはちゃんと ほかにあるさ。知りたいなら、ほら、耳を貸してみろ。ふふ、不用心だな。何もされないとでも思っていたのか。っ、この、寝巻きとはいえ、投げつけて寄越すとは、よほど 手酷くされたいらしいな。チッ、手の届かないところにいれば、安全だとでも思ってるのか。快復したら、思い知らせてやるからな。…っ…はぁ、熱い… 君 なんでまだここに。熱 僕が…あ、そういえば、だるい。道理で 嫌な夢を見るわけだ。最悪だな。あっ、冷たい、なんだ。濡れた手ぬぐいか、要らない、こんなもの。強情な女だな。なら、勝手にすればいいだろう。あ?お粥?食べる気がしない。知るか。何も食べなくとも、熱なんか勝手に引くだろう。今までだって、そうやって治してきたんだ。なんだ、僕の母のことは話しただろう。あの女が息子の面倒なんか まともに見るわけがない。もういいだろう。少し寝る。部屋から出てってくれ。掛け布団がやけに重いと思ったら、なんでこんなにたくさん…あの女の仕業か。熱くらいで大げさだな。暖かい[j]TTDGV RO288E[/j]

[j]TTDGV RO288I[/j]第六幕:近づく心
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おい、毎度のことだがうるさいぞ。人がこうして寝てるってのに、君ってやつは。仕方ないだろう。昼だろうと 寝るくらいしかやることがないんだ。もう 何日も経って、ただでさえ寝   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   にうんざりだってのに。もう 毎日毎日 人の周りで喧しい。看病なんて言ってるが、療養の邪魔をしに来てるとしか 思えないな。おかげで、すっかり眠気が覚めちまった。は、寝るのはやめた。久々に骨董品の手入れでもするか。おい、そこのガラス棚のグラスを 一つ取ってくれ。あ、その一番上のだ。そうだな、真ん中の赤いグラスをこっちへ。それから、引き出しの中にあるグラスを拭くためのクロスも。言っとくが、落とすなよ。部屋にあるのは全部 歴史的価値が高い僕の貴重なコレクションなんだからな。ああ、カットの仕方が特徴的で、とても美しいだろう。このビードロのグラスは ただのグラスじゃない。この技法は暈しと言ってな。ヨーロッパのガラス工芸なんかより 群を抜いて、繊細で美しい。今となっては、ほとんど手に入らない代物だ。特に この金赤って色の細工は極めて貴重だと言われている。普通の紅色なんかよりも さらに赤く、まさに真紅と言っていい。前にオーナー室にあったランプ 割れてしまったが、このグラスと同じ出所のものだったのかもしれないな。仮にそうだったとしたら、惜しいことをしたよ。どうして 僕が骨董品が好きなのか、分かるか。ほかに代わりがないからさ。新しいものなら、いくらでも 替えがきく。だけど、このグラスはダメだ。もし壊れてしまったなら、同じものは二度と手に入らない。それがいいんだ。語り過ぎたな。聞くのは物の価値も分からない。君しかいないってのに。いいから、君はさっさと 自分の仕事を片付けろ。なんだ、帳簿をつけてたのか。ふん、近寄れないと思ったか。このくらいの距離、杖があればもう歩ける。安眠を邪魔した付けは、後でたっぷり払ってもらうからな。それより、何をしているかと思えば、女が算盤とは見苦しいな。まるで金の勘定をばかりしていた。僕の親父みたいだ。そんなに必死になるほど、金の遣り繰りに困ってるのか。ちょっと見せてみろ。なになに、本日売れ残り ラムネ8本 翌日販売分へ、アンパン3個 廃棄。合わせて 7000。これは 劇場の売店の帳簿…君はこんな細かいことまで、一人でやってたのか。確かに 劇場を潰されては困るが、これじゃ じきに倒れるぞ。なにが大丈夫だ。すっかり窶れたくせに、痩せ我慢ばかりして。大体 劇場の仕事で手いっぱいになっている君が どうして毎日ここにいる。どうせ、僕への当て付けで始めた看病だろう。こうして 順調に快復してきた。もう君の手なんか要らない。自分が大変なら、他人なんて放っておけばいいだろう。大体な、私がいなきゃあなたはダメだから なんて顔されるのが最高に腹が立つんだよ。はあ?何を偉そうに。僕は心配してくれなんて言った覚えはないだろう。第一、喧しくて、療養どころじゃない。いないほうがましだ。あっ、いや、今のは…っ、何だと、僕が身勝手?それは君のほうだろう。うるさい。もういい、君は用済みだ。さっさと出ていけ。体が治った以上、いつでも君を甚振ることだってできるんだ。早く逃げたらどうだ。いいから、出てけ。僕の看病が仕事?自分が手いっぱいになっても、献身的に尽くすいい女でも気取りたいのか。そんなんで倒れられたら、こっちの気分が悪くなるんだ。バカ女が。本当に 療養どころじゃない。チッ、無理して動き過ぎた。おい、電話だぞ。さっさと…チッ、そうだった。あいつはいないんだった。仕方ない、自分で行くしか…くそ、ほかの傷はほとんど治ったと思ったが、やっぱり 足の方はまだか。昼間の無理が祟ったな。おまけに、切れやがった。こんなんじゃ、腹が減っても 台所に着くまでに日が暮れちまう。誰かに作らせるか。はあ、どっちにしても 電話のあるところまで、このまま這っていかなきゃならないのか。ったく、なんで僕がこんな…もしもし、僕だ。数日ぶりだな。用?あるから、こうして電話をかけたに決まっているだろう。どうだ、劇場の仕事は順調か。ふん、だっと思った。だから、言っただろう。人には向き不向きがあるんだ。君のために、いい交換条件を出してやるよ。帳簿の計算なんて 頭の悪い女学生の君がやるよりは 僕がやったほうが早いし、正確に決まってる。その間 君は台所で夕飯でも作っていればいい。分かったか。名案だろう。分かったなら…なんでもいいから、早く戻ってこい。ふん、戻ってきたか。君も少しは僕の言うことを聞くようになったんだな。僕が素直に 戻ってきてほしいと言ったから?そんなこと言った覚えはない。ただ、取引をしただけだろう。そのために ここへ呼んだだけだ。あっ…お、おい、待て。そこで帰るな。分かった。分かったから、こっちに来い。その…だな、まあ、あの時は僕も少し言い過ぎた。つまり、何と言うか。わ、悪かったと 少しは思ってやる。なんだ、君も謝るのか。梃子でも折れない女だと思ってたが、意外だな。まあ、いい。気が済んだか。なら、腹が減ってると言ったはずだ。早く何か作れ。何がおかしい。気に入らないな。ああ、待てよ。今日はもう帰るのか。明日 久しぶりに出掛ける。君も早く起きておけ。君はすでに僕の使用人も同然だ。ついてこないなんて選択肢はないからな。ふん、大丈夫だ。この通り、もう杖がなくたって、歩ける。それに、そろそろ舞台復帰に向けて、徐々に体を慣らしておかないとな。さっき医者だってそう言ってたじゃないか。そうだな、8時に君の家まで迎えに行く。それまでにちゃんと支度をしておけよ。行き先?それは行ってみてからのお楽しみだ。じゃ、夕方にまたここまで迎えに来てくれ。頼んだよ。さあ、着いたぜ。なんだ、もしかして 君はここが初めてか。風月園 東洋内外名高い遊園地さ 、聞いたことくらいはあるだろう。まあ、僕も前はよく女を連れてきたもんだけど。帝國スタアとして、顔が知れてからは ずいぶん久しぶりだな。いろいろな物があるぞ。大山滑りなんてのが有名だが、いくら君がじゃじゃ馬だからって、さすがに その格好であれを滑り降りるのは やめておけよ。まずは、そうだな。スワン池でボートにでも乗るか。その後で 動物園を覗いてもいいし。ああ、そうだ。ここには 風月少女歌劇団なんてのがあるんだ。たまには 他人が作る舞台を覗くのも 役に立つかもしれないな。ふん?どうした、妙な顔をして。何から手を付けるか迷ってるのか。いいんだよ。片っ端から楽しめば、それで。ここは遊園地だ。楽しまなきゃ、来た意味がない。ほら、さっさと行くぞ。ほら、岸に戻ってきたぞ。ははぁ~ボートで一周しただけなのに、ぐったりだな。僕が沈むかもしれないって脅したから?はは、ひどい怯えようだったな。笑えた。よっと。ほら、手を出せ。引き上げてやる。バカ、危ない。僕が引っ張り上げなきゃ、落ちてたな。そんなに溺れたかったか。よく受け止められたって。あのな、感心している場合か。それに、運動神経には自信があるんだ。でなきゃ、帝國スタアなんてやれるかよ。それにしても、どんくさい女だな。この先が思い遣られる。ほら、ちゃんと立て。次へ行くぞ。ずいぶんと見て回ったな。めぼしい物は一通りか。どうだ、それ、うまいか。その饅頭はここの名物なんだ。何だか知らないが、飛ぶように売れてると聞いた。まあ、僕は食べたことはないが。いや、僕はいい。甘い物は苦手なんでね。って、おい、何って顔だよ。口の周りに付いてるぞ。はあ、君も女なら、少しぐらいは身なりに気を遣え。もう、いい。取ってやるから。なんだ、赤い顔をして、久しぶりに見たな、君のそんな顔は。動くなよ。やはり甘いな。よく これを食べられるもんだ。ふふ、なんだ、体が強張ってるぞ。こんなことをされるとは思わなかったか。な、僕がわざわざ君を誘い出した理由を考えはしなかったのか。体の快復した僕が 何のためにってさ。前に組み敷かれたのを忘れたわけじゃないだろう。ほら、ガラスでなぞったじゃないか、この首筋も。君をこうしにかかるために 外へ誘い出したのかもしれない。怖くはないのか。へえー、相変わらず 強情なじゃじゃ馬だな。なら、試してやるか。あの時みたいに。また 痛くしてやるよ。こうやって…ふふ、ははぁ~なに目を瞑ってるんだ。そんな真似するかよ。そんなつもりで来たわけじゃない。今日はただ…なんだか 雲行きが怪しくなってきたと思ったら、また雨だ。君といると、本当によく雨が降る。どうやら 君は雨女らしいな。ちょうどいい。そこの土産物屋で傘を一本買ってやるよ。君の好きな物を選べばいいさ。ほら、どれでもいいから、選べよ。決まったのか。うん。なんだよ、これはまたずいぶん 安っぽい柄の傘だな。そんなのより、向こうの幾何学模様のほうが流行りのアールデコ調でしゃれてるのに。まあ、君が選んだんだから、それを買ってやるよ。買ったら、さっさと行くぞ。なんだ、僕の傘は買わないのかって?一本で十分事足りるじゃないか。ほら、入れ。どうして そんなに離れてるんだ。バカだな。それじゃせっかく傘があるのに、どちらかが濡れなきゃならない。ただでさえ、この傘は女物で小さいんだ。ほら、もっとこっちに寄れよ。さあ、これでいい。どうした、今日はずいぶんと大人しいんだな。拍子抜けした?僕が本当に君に手を出さなかったから?なんだ、期待されてたなら、野外だろうと 押し倒せばよかったか。怒るなよ。今日はそんな下心で来たんじゃない。少しは気付けよ。鈍い女だな。看病と劇場の仕事だけじゃ、息が詰まるだろう。ふん、なんだ、その顔。僕の優しさについに絆されたか。惚れたなら、そう言えよ。一晩相手してやってもいいぜ。は?素直に 優しいと褒められてもな。君なんか 今さら 相手する気にもならないんだよ。笑うな、くそ。まったく、君は素直になるより いつものじゃじゃ馬のほうがいいな。揶揄づらくてかなわない
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第七幕:この舞台のヒロインは
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[j]TTDGV RO288T[/j]なんだ、騒がしい。どうしたっていうんだ。鍵なら開いてるぞ。いつも勝手に入ってくるくせに、今日は一体…これは、なんで記者がこんなに…なんだ、この新聞は。僕とオーナーが 恋仲だって 権利書を振り翳し、帝國スタアを次々と 愛なき関係を迫られる悲劇の弐番星。この前、出かけたのは撮られてたのか。迂闊だった。なるほど、あいつを悪女に仕立て上げようってこったか。あることないこと好き勝手に書きやがって。おい、いるんだろう。オーナー。騒ぐなよ。声を出すな。まだ表には記者が残ってるんだから、気付かれたら面倒だ。色々と説明したい、とにかく 一旦中に入れてくれ。ずいぶんと責め立てられてるみたいだな。僕も同じ状態だ。もうすぐ舞台に復帰と思っていた矢先、このあり様とは。帝國スタアが聞いて呆れるな。これだけ記者が押し掛けてれば、もう知ってるよな。前に君と出掛けただろう。あれを 質の悪い新聞社に見られてたらしい。どうやら 君は帝國スタアである僕を誑かした 悪女ってことになったようだ。なんだよ、辛そうな顔だな。こんな時くらい泣いてもいいんだぜ。理不尽に怒鳴られて、罵倒されて、自宅がこれじゃ …碌に劇場にも行けてないんだろう。我慢するなよ。見てるこっちがつらくなる。ほら、胸ぐらい貸してやるから、たまには甘えろ。僕が女どもを捨てた時だって、新聞社に垂れ込んだ奴なんて、きっと大勢いたはずだ。だけど、何も起きなかった。このご時世 悪者にされるのは帝國スタアである僕ではなく、立場の弱い女の方だ。晒し上げられるとしたら、女の君だってことも重々分かっていたはずなのに。迂闊だった。なんだ、僕がこんなセリフを吐くのが意外か。そうだな、女なんて反吐が出るほど どうでもいい生き物だと思ってた。貪欲で、身勝手で、そういう奴しか周りにはいなかったんだ。あいつらを見るたび、吐き気がしたし、抱くたびに 嫌な夢がぶり返してた。けどな、気づいたんだよ。最近、もう あの夢を見なくなったって。こうして触れても、気分は悪くならない。むしろ 愛おしいと思える。君だから、そう思えるようになったんだ。僕を真っ当な男にしてくれたのは君だ。あれだけ多くの女(xing)を傷つけてきた。今さら 虫のいい話だと笑われても仕方ない。それでも、本気なんだ。君が作る料理の味も、バタバタと掃除して回る足音も、どれもが愛おしいんだよ。なくしたくないと思ってる。恋心なんて 散々バカにしてきたが、自分の方が愚かだったと分かった。君を 愛してる。あ、分かってる。男女が身勝手に愛し合うなんて許されない。僕の家を思えば、確実に勘当されるだろうし。帝國スタアとしてだって、舞台に立てなくなるだろうな。それでも、ほかの何より、君がほしいんだ。答えを 聞かせてくれないか。っ…死ぬまで、愛し抜く、約束する。記者たちが また騒ぎ出したか。まずは この状況を何とかしないとな。心配要らない。僕が君の名誉を取り戻して見せる。必ずうまくいく。いや、やって見せる。だから、一緒に劇場に来てくれ。見ろよ、客席中びっしりの満員御礼だ。記者たちに 僕の取り巻きのやつらもいるな。記者会見と言ったとたん、ずいぶん集まったもんだ。落ち着けよ。こんなことで、取り乱すなんて じゃじゃ馬の君らしくない。君はここのオーナーだろう。だったら、オーナーらしく堂々としていろ。じゃ、行くぞ。一世一代の大舞台だ。新聞記者だの、ご婦人方だの、いつも僕がバカにしてた連中が 皆揃ってるな。今までなら、適当にあしらってただろうが。報道各社並びに 日頃この劇場をご愛顧いただいております皆々様、本日はお忙しい中 僕の個人的な会見の場にご足労をいただき、誠にありがとうございます。加えて、このところの度重なる報道で世間を騒がせましたことを 深くお詫び申し上げます。このような場を設けさせていただきましたのは 皆様すでにご周知の通り、私勲と まさに今隣に立っております 大帝國劇場オーナーとの 一連の騒動に関して ご説明させていただくためにございます。まずは、訂正させてください。彼女は悪女でもなければ、オーナーの権限なんてものを振り翳して、僕を誑かしてもいません。それどころか、彼女は僕が全力で脅しにかかっても、靡きすらしなかった。ただ、そばにいてくれた。僕がどんなやつか知った上で、それでも寄り添ってくれた。そんな彼女に いつしか本気で惚れてしまったのは僕の方だ。スタアとして この舞台に立つことより、彼女一人に喜んでもらえること、それが 僕の喜びになってしまった。彼女は 僕の大切な人です。何にかえても守りたい。初めてそう思えた女(xing)なんです。今まで、僕からの仕打ちで、嫌な思いをした方々も多いでしょう。本当に 申し訳ありませんでした。今さら 謝って済む問題ではありません。それは どんなことをしても、この先 償います。だから、どうか 信じてください。僕と彼女の間にあるのは 決して爛れた関係ではなく、心の底からの真愛だと。どうした、そんな顔して。ああ、このご時世   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   恋愛なんて許されない。こんなことをしたら、まず 僕は帝國スタアとして 舞台に戻れないな。それでも、君の潔白を示すには、君を守るには これしかできないだろう。君のためなら、僕は華族の身分も、財産も、帝國スタアとしての地位も 今すぐこの場で捨てる覚悟がある。 たとえ帝國中から笑われても、蔑まれても、罵られても、構わないんだ。君を愛する気持ちだけは 嘘をつきたくない。誰かを好きになるってのは そういうことだろう。まだまだ 未熟な我々を どうか温かく見守っていただけたら、幸いです。そして、今後とも 大帝國劇場を ご愛顧のほど よろしくお願いいたします
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[j]TTDGV RO288V[/j]第八幕:ふたりの宝物[j]TTDGV RO289V[/j]

[j]TTDGV RO289U[/j]ただいま。ようやく 新聞社の取材が終わったよ。これは当分街を歩くのさえ難儀しそうだ。この家も 親父と縁を切った以上、そろそろ空けないといけないしな。前途多難だ。まあ、勝手に好きな女を作って、あんな騒動まで起こしたんだ。今回ばかりは さすがに何か言ってくるとは思っていたけどさ。君の方は大丈夫か。そうか、ならよかった。幸いだったのは 思ったより悪評が少なかったことだな。まさか ご婦人方の中にも 僕たちを祝福してくれる人がいるとは思わなかったよ。劇場に出資する有力華族たちも 奥方を味方につけられちゃ 文句も言えないらしい。ふふ、女(xing)は強いな。理解を示してくれたのは 多くが女(xing)だった。僕の目はずっと 曇ったままだったのかもな。そうだ、劇場でこれを一本 拝借してきた。売れ残ってたんでね。それと 僕のコレクションであるビードロのグラス。杯の代わりはグラス、お神酒代わりに売れ残りのジュース。これで、三三九度するんだ。終演だよ、二人だけのな。華族の身分もなければ、花嫁衣装を用意してやることもできない。僕はもう何も持っていない。ただの男だ。それでも、けじめだけは付けたい。略式も略式だけど、これが 今の僕の精一杯だ。許せよ。チッ、何って味のジュースだよ。喉が焼けるほど甘い上に、妙な酸っぱさだ。どこがうまいんだか分からない。こんなんだから、毎度毎度売れ残るんだよ。なんだよ、こっちは大真面目だってのに。何を笑って。はぁ?水で割って飲むジュースだって?道理で、くっそ、だったら先に言え。僕は甘い物が苦手だって言ったじゃないか。チッ、それなら、ほら、君が飲む番だ。お神酒を水で割るやつはいない。だから、君も原液のまま飲めよ。飲んだか。ああ、これで 僕らは夫婦だ。これから 僕は多くの人のための帝國スタアではなく、一人の男として、君の夫として 生きていく。表舞台には立たない。小さな星のように。そうして、生涯君を愛し抜くと誓うよ。うん?なんだ。昼間からこんなことよくないって?その生真面目なところ 変わらないんだな。夫婦の契りを交わすまでは 待ってやったんだ。それに、君がそうやって困り顔するなら、なおさら楽しくて止まれないな。こうしてる今だって、君の勝ち気な顔を泣き顔にしたくてたまらない。ふふ、ああ、君をいじめるのは楽しいからな。ただ、愛情だけはたっぷり注いでやるよ。女を自分のものにしたい なんて思ったのは君が初めてだ。そして恐らく 最後だろう。どうした。そうだな、世間の風当たりは当面厳しいかもしれない。それでも、理解あるご婦人方も大勢いるんだ。二人で一歩ずつ作り上げればいいじゃないか、自分たちだけの生き方を。君だって、劇場を潰す気はないんだろう?だったら、僕だって全力を尽くす。君の夢は もう僕の夢でもあるんだ。君と君の大事な物は全部 僕が必ず守る。だから、僕を信じてついてこい。ほら、舌を出してみろよ。気持ちいいか。体が熱っぽくなってる。頬も熱いな。首筋も。なんだ、身を捩って。そういえば、前からここは苦手だったよな。それなら、もっとしてやる。いい反応だな。はは、仕方ないだろう。愛おしくて仕方ないんだ。壊れないように精一杯優しくしてやるからさ。な、楽しい時間にしようぜ。全部忘れちまえばいいんだよ。不安なんて 全部忘れさせてやる。僕が君を守るって言ってるんだ。怖いことなんか何もないだろう。今度は抵抗しないんだな。本当に嫌なら言えよ。無理強いはしたくないからさ。そうか、くそ、愛おし過ぎて、こっちがどうにかなっちまいそうだ。僕を選んだことを絶対に後悔はさせない。君が好きだ。たった一人の君、ほかの誰にも 替えはきかない。この先の全てを掛けて、僕は君一人を愛し抜く。ほかの誰もが羨むような幸せな夫婦となれるように
[j]TTDGV RO289D[/j]いや、そっちは僕が直接話をつける。役者たちにはしっかり稽古をしておくように言ってくれ。ああ、あと 売店のし売りを一回見直せ。このところ いつ来てもアンパンが品薄だと 客から苦情が入った。震災で一同はどうなることかと思ったが、ここもやっと軌道に乗ったんだ。これを機に、もっと客足を伸ばしたい。オーナーの僕が指揮をとってるんだ。このくらいの仕事料で音を上げるなよ。おい、まだ支度はできないのか。早くしろよ。写真館の親父が待ちくたびれてるぞ。君がどうしても 劇場で撮りたいと言うから、わざわざ来てもらったってのに。なんだ、支度はとっくにできてるって?だったら、どうして塀から出てこないんだ。おい、開けるぞ。あっ…なんだ、ちゃんと着られてるじゃないか。はあ?何を恥ずかしがってるんだ。その、いいんじゃないか。どこから、どう見ても、美しい花嫁姿だ。本当に 綺麗だよ。ふふ、いい感じに赤みを帯びて、さっきより自然な顔色になったな。では、結婚からだいぶ経ったが、夫婦の記念撮影と行こうか。さあ、お手をどうぞ、奥様。この大帝國劇場を守るために、これからも二人で歩んでいこう。夫婦二人で 仲良く な。(^з^)-☆

点评 总计 2 条

順便給樓主妹子一個建議,要是有自己聽不出來的地方,可以標明出來,要抓蟲也比較方便大家抓...  发表于 2014-8-16 19:59
支持: 5
聽寫台本不容易,樓主妹子辛苦了(笑)  发表于 2014-8-15 22:41

其他会员正在看的帖子

1
SlhCVVk=
发表于 2014-8-11 12:23:32
本帖最后由 故我 于 2014-8-11 12:33 编辑
[j]TTDGV RO288K[/j][j]TTDGV RO289I[/j]
有台本没翻译也是极好的!{:tuan_zi08:} 给姑娘送花,期待积雪更新,终于给会听不会看、会看不会听的异型的我带来了光芒!(真[j]TTDGV RO289N[/j]
阿嘎嘎,目前三章他的BT没有完全发挥出来啊,就是对女(xing)很不足尊重和怜爱倒是能够看出来了,舔瞳那里好恶(兴)(奋) ,我觉得整个人都(开)(心)(颤)(抖) !{:tuan_zi01:} ({:tuan_zi03:}
[j]TTDGV RO2899[/j]话说没期病人都有萌点,这期有点   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   ……但是没第五个自残那么让人接受不了就是了……(●'◡'●)ノ[j]TTDGV RO288F[/j]
其实舔瞳那轨,我希望他把owner强上来着……咱们直接抱孩子HE好不(*/ω\*)  {:tuan_zi09:} (M属(xing)已漏{:tuan_zi11:}
[j]TTDGV RO289U[/j]               
[j]TTDGV RO288Q[/j]                [j]TTDGV RO288L[/j]
               
[j]TTDGV RO289J[/j]               
[j]TTDGV RO2895[/j]                               

点评 总计 1 条

谢谢妹纸支持,同抖M,握爪~· 当时听完第一盘就决定听写了,还以为会更深井冰一点的,谁知第二盘完全跑偏了... 各种亚萨西。嘛~剧情编排也还OK啦,面对众人表明心意什么的,超打动人有木有。最萌的还是本音FT!!~  发表于 2014-8-15 11:49
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SlhCVVk=
发表于 2014-8-12 11:22:55
感谢台本听写www
[j]TTDGV RO289Q[/j]虽然没翻译略可惜XDDD【你够[j]TTDGV RO2899[/j]
不过最近日文学习略有进步,就想试试看着台本听抓的感觉如何~~[j]TTDGV RO289O[/j]
真是帮了大忙~~~
[j]TTDGV RO2894[/j]前俩天刚刚听说这个系列,R社依旧掉节操ing什么的XDDD
[j]TTDGV RO288P[/j]看楼上点评居然还有舔瞳OAO
[j]TTDGV RO288R[/j]感觉新世界的大门又要开启了啊OTZ

点评 总计 1 条

能帮到妹纸就好,自己也是渣渣,很多地方都是在听写的时候才注意到呢。(/ω\*) 今年各种乙女R18大爆发,感觉对这种伪全龄已经免疫了... _(:3 」∠)_  发表于 2014-8-15 12:22
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SlhCVVk=
发表于 2014-8-16 19:45:42
这系列碟都是2个多小时,都听写下来还是很不容易的啊[j]TTDGV RO289W[/j]
虽然4发听下来,感觉剧情也差不多,呵呵呵
[j]TTDGV RO289O[/j]但觉得这系列剧情还是不错的,可能现在还是流行这种S吧
[j]TTDGV RO288W[/j]看一下台本再去听一遍,说不定感觉又不同[j]TTDGV RO289I[/j]
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