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[〖全年龄〗] 【原創】オズと秘密の愛 第四の鍵 シアン編 CV.高橋直純 [本篇台本 翻訳無]

发表于 2014-9-2 17:40:59 |阅读模式
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本帖最后由 Civien 于 2015-4-29 09:42 编辑
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[j]Y5ALM RPJB88[/j]有几处没听出来 ,已用【】标记
[j]Y5ALM RPJB8Z[/j]希望大家见谅表嫌弃 若有失误还望多多包涵~m(_ _)m
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[j]Y5ALM RPJB81[/j]ふと 気がつくと、貴女はいつの間にか見知らぬ場所にいました。そこはまるでベールのような靄がうっすらとかかり、薄暗くまったく先を見通すことができません。貴女はここがどこなのかとひどく不安な気持ちになりました とその時、貴女の手から何かが滑り落ちていきました。貴女の落としたもの、それは一本の鍵でした。貴女は鍵を拾い上げ、首を傾げました。この鍵は何なのだろう。一体いつから持っていたのだろう。貴女は一生懸命考えましたが、何も思い出すことができません。不安な気持ちはますます膨らんでいきます。貴女はそれでも恐る恐る出口を探し、右も左も分からぬままに 歩き回ることにしました。どうしても先へと行かねばならないという強い思いに駆られたからです。けれど、先へと急がねばならないそのわけははっきりとはしません。とにかく、先へ先へと貴女はただ急ぎます。そこは見たこともないとても不思議な場所でした。もしもこのまま一生 ここから出られなかったらどうしよう。そう思うと、貴女はさらに不安でたまらない気持ちになりました と、その時。『鍵を得よ。』どこからともなく、不思議な声が聞こえてきて、貴女は足を止めました。よく見ると、貴女の前には大きな扉があります。もしかしたら、この扉から先へと進めるのかもしれない。そう考えた貴女は 扉の取っ手を掴み、少し力を込めてみます。な、残念なことに 扉はびくともしませんでした。どうやら 鍵がかかっているようです。その時 またあの声が聞こえてきました。『扉の先へ進みたければ、鍵を得よ。鍵は六つ、お前の持つ鍵は三つ。』貴女はふと思い出し、手の中にある鍵を見ました。どうやら これが扉の鍵のようです。ポケットの中を探ると、残りの鍵も出てきました。ほかの鍵がどこにあるかなど 見当もつかないし、そもそもこの扉の先に何があるのかも分かりません。それでも、貴女は鍵を探そうと決心しました。なぜなら、貴女は先へと進まなければならないのですから。貴女は固い決意を胸に、再び足を踏み出しました。しばらく歩くと、貴女はなんだか不気味な場所に出ました。木々が生い茂っているせいでしょう。日当たりは悪く、空気もじめじめしています。いつの間に こんなところへ来たのだろう。貴女は不思議に思いながらも、前へ前へと進んでいきます。林を抜けたところで、貴女ははっと足を止めました。目の前に十字の形をした石碑が立ち並んでいたからです。石碑には何か文字が彫られていました。中には花輪をかけられているものもあります。それを見て、貴女は気がつきました。どうやら ここは墓地のようです。本当にこんなところに鍵があるのでしょうか。どんなに辺りを見渡してみても、あるのはお墓ばかりです。貴女はしばらく悩みましたが、やがて引き返そうと墓地に背を向けました。すると、貴女の目の前を 黒い影が横切っていきました。墓地を飛び回っているカラスです。驚いた貴女は思わずよろめき、すぐそばにあった墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に落ちてしまいました。貴女はすぐに身を起こそうとしました。けれど、足を挫いてしまったらしく、なかなか起き上がることができません。貴女はすっかり困り果て、墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   の中から地上を見上げました。その瞬間 貴女の上に土が降りかかってきました。誰かが貴女の落ちた墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   を埋めようとしたのでした。土は次々に降ってきて、貴女はますます身動きがとれなくなってしまいます。このままでは、本当に死んでしまう。そう思った貴女は 地上に向かって一生懸命叫びました。助けて、助けて と
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、今何か聞こえた。いえ、気のせいかな。この墓地には俺しかいないし。よし、さっさとこの墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   を埋めて帰ろう。今日のご飯は何にしよう。?~パスタかな、オイルにトマトにクリームバジル、だけどやっぱりミートソース。っ!し、死体が墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   から出てきた。なんだよあんた。なんで死体は動いてるの。もうしかして、幽霊?何かこの世に未練でもあるの。別に幽霊でもゾンビでも構わないけど、いきなり出てこないでよ。びっくりするだろう。死んでない?じゃ、なんで墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   なんかに入ってるんだよ。あんたが死体だからだろう。はかの人は騙せても、墓守である俺の目はごまかせないよ。そう、俺は墓守。この村外れの墓地のね。えぇ!墓守を知らないの。読んで字の如く 墓の番人だよ。死体を埋葬したり、墓の掃除をしたり、後はカラスよけをしたり、腐臭に釣られて飛んでくるカラスを追い払うんだ。言うなれば、カカシだね。うん?あぁ、この子はいいんだよ、友達だから。そう、クロスケっていうんだ。真っ黒だから、クロスケ。俺とはすっごく仲が良くて、いてっ。ちょっ、やめてよ、クロスケ。つ、つかないで、はぁ、いてて。もう 怪我したらどうすんだよ。ちょっ、あぁ~ぁ、ちょっ、髪の毛引っ張らないで。こ~ら、これは本物のリンゴじゃない、髪留めの飾りだよ。お気に入りなんだから、取るな。あっ、ははぁ、まあ、あれだよ。懐かれてるんだ、仲良しの証拠。ほら、クロスケ、あっち行きな、仕事の邪魔。はぁ、で、何の話だっけ。あ、そうそう、俺が墓守だって話ね。てか、あんたいつまでここにいるの。さっさと天国に行くか、墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に戻ってよ。でないと、いつまで経っても、仕事が終わらないでしょう。生きてる?あんたが?じゃ、なんで墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に入ってたんだよ。うん~どじっ子なんだね、あんた。見た目通りすぎて意外(xing)ないな。けど、それなら、もっと疑問だよ。あんた、いつこの墓地に来たの。俺は朝からここにいるけど、墓参りに来た人はいなかったはずだよ。それに、あんた 村じゃ見かけない顔だね。なんか 変な格好をしてるし。ね、あんた 誰。どこの村の子。えぇ~分からないって。あ、もしかして あれ?迷子になっちゃった?ふん、何も覚えてない。気づいたら、ここにいたって。それ 記憶がないってことじゃない。ふん、本当に何も覚えてないの?家族とか、友達とか、後はここがどこなのかとか。ここはジュウニンの村。オズの世界にある村だよ。はあ、本当に記憶がないんだね。墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に落ちた時に頭でも打った?もしくは やっぱり死んでるとか!そこまで言うなら、あんたが生きてるってことを証明してよ。うん、そうだなぁ。あっ、じゃ、こういうのがどう。あんたのことをちょっと触らせてよ。生きてるなら、体温あるはずだし、触れば確かめられるでしょう。じゃ、ちょっと失礼。うん、どれどれ。あっ、なんで顔を背けるんだよ。触らなきゃ分からないだろう。ほら、こっち向いて。ん~あんたの頬柔らかいね、ちょっと土で汚れてるけど、すべすべで気持ちいい。それに、温かい。ちゃんと血が通ってる。あんた 本当に生きてるんだね。だったら、最初からそう言ってよ。死体を埋めるのだって、結構な労力なんだよ。ふん、あんたのせいで 無駄な体力使っちゃった。お腹も空いたし。ん?ね、あんた ちょっと変。俺たちとはなんか違う。うまく言えないけどなんか…っ!あんた もしかして人間!なんでこんなところに人間がいるんだよ。一体どうやって村に入ってきたんだ。近寄るな。人間なんか大嫌いだ。すぐ怒るし、力で人を従えようとするし。けど、人間にしては、様子が変だ。俺も何度か人間を見たことがあるけど、あんたみたいに細くなかった。声もそんな高くなかったし。あんた 一体…っ、あんた まさか女?本気で言ってるの、それ。うわぁ、生きてる女なんか久しぶりに見た。てか、俺 触っちゃったじゃん、しかも何度も。うえぇ、気持ち悪い。生きてる女とか死体より気持ち悪いんだけど。女は男を惑わす存在だなんていうけど、あんた見てても1ミリも引かれないよ。な、何、そんな目で見るなよ。ぞわぞわするだろう。うわあぁ、もう 嫌だ。消えろ。今すぐ俺の前から消えろ。なにもたもたしてるんだよ。自分で消えないなら、こうしてやる。大人しくその墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に入ってて、今すぐ埋めてあげるから。うるさいな。人間の女なんか生きてたって、碌なことないんだよ。それに、記憶がないって。それも死んでるのと一緒じゃん。やっぱあんたは死体だったんだよ、死体。ほら、今すぐ埋めてやる。あっ、何言ってるの。鍵を探さなきゃって。知らないよ。大体鍵って何?あんた家の鍵でもなくしたの?違う。じゃ、何。さっきから何わけ分かんないこと言ってるの。鍵   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   がついてる大きな扉なんて、そんなの見たことも、聞いたこともない。夢でも見てたんじゃない。ふん、だから、そう言われても、知らないものは知らないよ。てか、そんなに大事なものなの?その鍵って。だって、そうでしょう。そこまで必死になって探すなんて。もしかして、高価なものだったりするの。あんた 本当に何も分らないんだね。でも、まあ それなら、高価なものだって可能(xing)もあるわけだ。ふん~そうだな、鍵のありそうな場所…あ、そうだ。遺留品置き場はどうかな。この墓地の近くにあるんだ。確か 鍵のようなものもあったと思う。ひょっとしたら、あんたの探してる鍵も埋れてるかもしれない。ちょうどこれから遺留品置き場に行こうと思ってたんだ。よかったら、あんたも一緒に来る?どうしたの。もしかして、俺のこと警戒してる?ひどいなぁ。せっかく探し物に協力してあげるって言ってるのに。俺のことが信じられない?この目を見ても?ふん、信じてくれるんだね。じゃ、決まり。はい、俺の手を掴んで。引っ張り上げてあげるから。あ、そうそう、まだ自己紹介をしてなかったよね。俺はシアンっていうんだ。よろしくね
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[j]Y5ALM RPJB8Y[/j]到着、ここが遺留品置き場だよ。あ、クロスケもついてきたんだ。クロスケ、残念だけど、ここにはカラスが好きな光り物はないよ。あったら、全部俺が没収してるし。あぁ、何でもない。それより、早く探し物を始めようよ。えっと、鍵を探してるんだっけ。それって どれくらいの大きさ。ふん、けど、そんな小さな鍵 見つけられるかな。見てよ、こんなに大量に遺留品があるんだ。この中から鍵を探し出すなんて至難の業だよ。そう、じゃ、頑張って。俺はここで応援してるから。さて、いくらになるかな、ミートソース1年分ぐらい?ふ、それとも、ふふ、楽しみだなぁ。おい、見つかった?へぇー、探し始めてから 結構経つけど、それらしいものもないの?使えないなぁ。これだから、女は嫌なんだよ。仕方ないな、手伝ってあげるよ。あんた一人じゃ、夜までかかりそうだしね。お礼なんていいよ。それより、鍵の特徴を教えてくれない。ヒントもなく探すのはさすがに 難しいからさ。えぇ、6本もあるんだね。てことは あんたの言ってる扉には鍵   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   が六つもついてるってこと?なんだか 面倒くさい扉だね。一体誰が何のためにそんなものを作ったんだろう。ね、もしかして、もう何本か持ってたりするの。鍵だよ。まだ一本も見つかってないの?それとも、もう何本か持ってるの?うん、そうなんだ。ね、よかったらさ、その鍵 見せてよ。百聞は一見に如かずっていうでしょう。一々口で説明するより、実際に見たほうが早いと思うな。ねぇ、お願い。へぇ、これが鍵か。へへ、もらい~いやだよ。返すくらいなら、最初から取らないっての。人間の女が住人に姿を見られる危険を冒してまで探すくらいなんだ。よっぽど貴重なものなんだろう。てことは売れば、それなりの値がつくはずだよね。服引っ張るな。これ以上破れたら、どうしてくれるんだよ。だから、返さないって言ってるだろう。大体人間の女が金目のものを持ってるなんて生意気。どうせそのうち 野垂れ死ぬんだから、俺にもらわれたほうがいいと思うけど。しつこいな!ね、クロスケ、この女 どうにかして。はは、そこでクロスケと遊んでるといいよ。俺はこの鍵を売ってくるから。さて、いくらになるかな。   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   にして大金持ちになれたりして、そしたら、俺ももう墓守なんて   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   気な仕事はしなくて済むな。それに、兄さんも。ふふ、楽しみだなぁ。ふふ、ふふふ~ 貴女がカラスを追い払う頃には もうシアンの姿は見えなくなっていました。彼がどこへ行ったのかなど、見当もつきません。貴女は必死にシアンを探しましたが、それでも 彼を見つけることはできませんでした。もしかしたら、シアンが戻ってきているかもしれない。そう考えた貴女は一度元の場所に引き返すことにしました。あ、いた。おい、あんた、俺を騙したな。鍵だよ、鍵。全然売れなかったじゃないか。村の質屋に持ってったけど、二束三文にもならないって。くそ、あんたに騙された。なんで値段もつかないようなものを探してるんだよ。あれだけ熱心に探してたら、よっぽど高価なものなんだって思うだろう。【そうそう】探すのを手伝ってやったのに、騙すなんてひどい。あ?鍵?捨てたよ。嘘ついてどうすんの。売れないって分かった瞬間 捨てたよ。なんでそんな顔すんの。あんたが悪いんでしょ。あんたが思わせぶりのことするから、俺のせいじゃない。全部あんたのせいだ。あ?どこに捨てたかなんて 覚えてないよ。その辺の溝じゃない。知らないけど。ひどいのはあんたの方だって言ってるだろう。鍵が売れると思って、いろいろ計画を立ててたのに、全部パーだよ。ああ、もう うるさいな。これだから、女は。あっ、そうだ、そうだよ。あんた 女じゃん。ね、ちょっと来て。いいから
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[j]Y5ALM RPJB8I[/j]こっち、こっち、早くおいでよ。ようこそ、俺の家。見た目はちょっとボロいけど、これでなかなか住み心地はいいんだよ。難点といえば、村から離れてるってことぐらいかな。ほら、この辺ってお店もないでしょう。だから、買い物とかする時は 遠くまで行かなきゃいけないんだ。本当は もっと便利なところに住みたいんだけど、村の住人たちとは折り合いが悪くてさぁ。俺だけこんな村外れに追いやられちゃったんだよね。うん~まあ、なんとなく仲は悪いっていうか。あ、ほら、きっとあれだよ。俺が墓守だからじゃない。死体に触る仕事なんて気味が悪いだろう。だから、避けられちゃってるんじゃないかな。そんなことより、さ、入って。遠慮しないで。どうせ行く当てなんかないでしょう。だったら、しばらくここに泊まっていきなよ。俺は全然気にしないからさ。鍵?そんなの後、後。とりあえず、先に休憩しよ。今日はいろいろあって、疲れちゃった。お腹も空いたし。あんたもそうでしょ。ほら、そんなところで立ち止まってないで、入った、入った。ん?雨。さっきまで晴れてたのに。通り雨かな。まあ、いいか。さて、まずはあんたのことを綺麗にしないとね。墓守に落ちたせいで泥だらけだ。ちょっと待ってて。あ、勝手に出ていっちゃ、ダメだよ。はい、このタオルで体を拭いて。汚れたままじゃ、気持ち悪いでしょう。早く服を脱いで、体を拭いて。っ、どうした。ん?どうしてあっち向いてなきゃいけないの。ちゃんと見てなきゃ、あんたが綺麗になったかどうか分からないでしょう。ほら、ここで見ててあげるから。早くしてよ。もう、俺だって、そんなに気が長いわけじゃないんだよ。ったく。何って、あんたがぐずぐずしてるから、服を脱ぐのを手伝ってあげてるんでしょう。ほら、じっとしてて、ボタンが外せない。ん?なに赤くなってんの。顔が茹で上がったタコみたいになってるよ。あっ、真っ白だね、あんたの肌。なんか あれに似てる。カサブランカの花。夏頃になると、墓地に咲くんだ。やっぱり 外に出ないと、こうなるのかな。だって、普段はどこかに隠れ住んでるんでしょ。女 それも人間の女なんか 見つかったら、どんな目に遭うか分からないもんね。石をぶつけられて、追い払われちゃうかも。ふ、大丈夫、俺はそんなことしないよ。そりゃ女は気持ち悪いけど、あんたは大事な…お客さんだからね。あ、ほら、早く体を拭きなよ。自分でできないなら、やってあげようか。仕方ないな、もう。あ、隠さないで、それじゃあんたのこと綺麗にできないでしょ。いいから、手を退けて。ふふ、だんだん綺麗になってきた。それにしても、女って本当に変な体だよねぇ。白くて、柔らかくて、確かに惑わされる男もいるのかも。こんなものでいいかな。うん~でも、なんか物足りないな。あんたの顔ってちょっと地味だよね。いまいちぱっとしない感じ。そうだ、化粧をしよう。死化粧しかしたことないけど、それでも 何もしないよりはましかな。今のままじゃ、とても値がつかないだろうし。よし、じゃ、ちょっと待ってて。道具を取ってくるから。ん?何。もう、またそれ。鍵なんかどうでもいいじゃん。今頃誰かに拾われてるかもしれないし、探したって見つかりっこないよ。お、雨 上がったみたい。やっぱり通り雨だったんだね。ん?どうしたの。行かないとって。ちょっと待って、ダメだ、絶対ダメ。いや、その、ともかく、ちょっ、もうちょっと ゆっくりして【きりゃ】、ね。あ、そうだ。よかったら、庭に出てみない。家は狭いけど、庭は結構大きいんだよ。村が遠いから、自給自足できるように家庭菜園も作ってるんだ。見たい?見たいよね。よし、決~まり。ジャン、ここが庭だよ。どう、素敵でしょう。あんまり興味なさそうだね。そんなに鍵のことが気になる。変なの。なんでそこまで…っ、見て見て、あそこ 虹がでてる。すごい、あんな大きな虹 見たことないや。綺麗だな。そういえば、知ってる?虹のかけらの伝説。あ、そっか、あんた記憶喪失だったね。知ってたとしても、覚えてないか。虹のかけらを集めると願いが叶うっていう言い伝えなんだよ。まあ、実際 虹のかけらを手に入れた人の話なんか聞いたことないけどね。ね、もし 本当に願いが叶うとしたら、あんたは何をお願いする。そう言うと思った。もう 諦めなよ、鍵のことなんか。俺なら、もっとまともな願い事をするよ。うん、そうだな。もっとお金持ちになれますようにとか、お金があれば何でも買えるし、どんなことでもできるでしょう。飢えで死ぬこともないし、寒さに震えることもない。それに、家族のことだって助けてあげられる。うん、一人だけ。テンマっていう兄さんがいるんだ。わけって、今は離れて暮らしてるけど。兄さん、昔から体が弱くてさ。たまに様子を見に行くんだけど、見る度に痩せていってる気がする。お金があれば、兄さんを助けてあげることもできるのに。えっ、優しいって、誰が。俺!あんた 何が企んでるの。そんなことを言って、俺を惑わそうとしてるんでしょう。一体どういうつもり。あぁ、分かった。鍵を捨てた場所を聞き出したいんだろう。そして、俺が気を許した隙をついて、ここから出ていくつもりなんだ。そんなこと考えてない。嘘だ。絶対下心があるはずだよ。でなきゃ、俺のことを優しいなんて言うはずない。人の心に【つけいって】、自分の思い通りに操ろうなんて、あんた 最低だね。人間の女って、皆そんなふうなの。近寄るな。あんたが悪いんだよ。人を惑わすようなこと言うから、信じられるわけないだろう。俺が優しい?バカも休み休み言えよ。俺は優しくなんかない。俺にはそんなこと言われる資格は…大体 あんたがそのセリフを言うのはおかしいよ。俺はあんたの大事なものを捨てたんだよ。それなのに、優しいねって、おかしくない。はぁ、もういい。風がでてきたね。そろそろ 家に帰ろうか
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[j]Y5ALM RPJB8H[/j]、もう起きてたんだ。おはよう、今日もいい朝だね。どうしたの、浮かない顔だね。あんたが来てからもう三日経つけど、まだここの生活には慣れない?まあ、まあ、鍵なんていつでも探しに行けるじゃん。それより、ここの生活を楽しんだら。黙ってても、ご飯が出てくるし。暖かいベッドもある。これでも、十分持て成してるつもりなんだけどな。なに、その目。俺のことを疑ってるの?こんなにあんたに尽くしてるのに、ひどいよ。そうじゃないなら、何。あんた 見かけにあらず、強情だね。そんなに鍵がほしいんだ。二束三文にもならないがらくたなのに。このままだと、そのうち勝手に出ていきそうだな。もう少し様子を見てからと思ってたけど、こうなったら、早く片付けないと。ん?何でもないよ。何でもないってば。ともかく、あんたはまだここにいなきゃダメ。どうしてって、それは…いちいち面倒くさい女だな。それはね、あんたのこと好きになっちゃったから。そんなに驚かなくてもいいでしょう。なんかさ、あんた見てると、ドキドキするんだ。これって、好きってことだよね。まあ、確かに人間は嫌いだよ。その上、女だなんて。でも、あんたは特別。あんたがうちに来てから、毎日すごく楽しんだ。一人暮らしのほうが気楽でいいと思ってたけど、あんたといると、誰かと生活するのも悪くないなぁって。へぇー、なにその微妙な反応。俺の言葉が信じられない?じゃあ、これでどう。何って、キスだよ。これで信じられるでしょう。だって、好きじゃなきゃ、こんなことしないもんね。ほら、もう一回。あんたの唇 柔らかい。へぇ、なんかおもしろいな。ね、もっとしていい?いいよね。ほら、口開けて。開けないなら、こうしちゃうよ。なんか変だな。あんたとこうしてると体が熱くなってくる。もっといろんなことをしてみたくなる。売る前に味見しておくのもいいかも。ね、俺といいことしようよ。大丈夫だよ。そのうち あんただって 気持ちよくなるから、ね。怖いなら、目を閉じてれば。なんなら、俺が閉じさせてあげようか。あんたって、瞼も柔らかいんだ。それに、睫毛もすごく長い。ね、舐めてもいい?でも、それだと目玉まで舐めちゃいそう。そんなことされたら、痛いんだろうな。ふふ、しないよ。あ、あんたが勝手なことをしたら、本当にしちゃうかもね。例えば、俺に断りなく鍵を探しに行くとか。でも、あんたはそんなことしないよね。信じてるよ。だから、俺をがっかりさせないで。いつまでも、俺のそばにいてよ、ね。さ、もう目を閉じて。何も見えないほうがきっと感じるよ。こら、目を開けない。見えるから、余計なことが気になるんだろう。見えなければ、気にならない。ほら、目を閉じて。あんたはただ流されてればいいんだよ。いや?仕方ないな。言うこと聞かないなら、その目 取っちゃうかな。青くて綺麗な目、宝石みたい。売ったら、高値がつきそう。ふふ、おもしろいな、その怯えた顔。目に涙をいっぱい溜めてさ。なんかもっと泣かせたくなってきた。どうすれば、泣かせられるかな。怖がらせる、それとも 痛がらせる?ふん、これは。どう、痛い?痛いよね。あんたの耳とっても柔らかいし。こんな柔らかいのに歯を立てられたら、痛いに決まってる。ふふ、いい声、すごく痛そう。次は頸がいいかな。あんたの肌 暖かい。ここを噛んだら、大変なことになりそう。ふ、嘘つくなよ。本当は痛いのが好きなんだろう。知ってる。じゃ、聞いてあげるよ。あんたの体にね。ほら、言った通りだろう?もうこんなになってる。俺に痛くされて、感じてる。あんたはそういう女なんだよ。違わないよ。まだ分からないの?じゃ、もっと痛いことしてみる。ふ、いいの?そんに力入れたら、余計痛いよ。はぁ、あんたそういうのが好きなんだった。じゃ、これも好き?ふふ、涙が零れた。かわいそう。舐めてあげるよ。ダメ、まだ始めたばっかじゃん。ほら、行くよ。どう、分かる?気持ちいい?な、どうなんだよ。答えないと、ほら。ふふ、びくびくしてる。あんた ここがいいんだ。声殺してないで、何とか言えよ。いいんだろう?感じてるんだろう?な。やめて?そんなこと言って、ここ 溶けそうになってる。だんだん気持ちよくなってきたんだろう。痛みが快感に変わって。嘘ついても無駄だよ。あんたの顔がもうたまらないって言ってる。俺にはしてほしくて仕方ないって言ってるよ。いいよ、その声、たまらない。あんたもいいんだろう。素直になれよ。痛いのが好きな恥ずかしい女なんだって、認めろよ。ほら、早く。早く言って。いいって言えよ。もう、本当に強情だな。言わないなら、無理矢理言わせることもできるんだよ。それとも、そういうのは期待してる?じゃ、お望み通りしてあげるよ。安心して、気が狂うほどよくしてあげるから。その声がかれるくらい、その目から涙がいっぱい溢れるくらい、いかせてあげる[j]Y5ALM RPJB8Q[/j]

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[j]Y5ALM RPJB8X[/j]見た?あの女。どうだった。棒みたい?ふふ、そう思うだろう。でも、見た目より案外柔らかいんだ。直接触って確かめて見たから、間違いないよ。ん?いやだな。手は出してないよ。新品だよ、新品。本当だって。ほら、さっさと値段つけて、引き取ってよ。それにしても、世の中物好きなやつもいるもんだね。わざわざ女を買おうなんてさ。まあね、確かに必要といえば、必要だし。それに、気持ちよくなっちゃうっていうのは分からなくもないかも。まあ、それでも、大枚はたいてまで手に入れようとは思わないけど。で、結局 いくらになりそう?どれどれ。もう一声。だって、人間の女だよ。めったにお目にかかれないんだ。もうちょっと頼むよ。オッケー、これでいいよ。じゃ、引き渡すね。騒がれると厄介だから、寝てるうちに連れていって。っ、なんだ 起きてたの。あのさ、もしかして 今の話聞いてた?そう、聞いちゃったなら、仕方ないね。そうだよ、あんたはこれから売られるんだ。大丈夫。きっといい人のもとに引き取られるよ。俺なんかよりずっと。だからさ、大人しくこっちおいで。おい、待って。卑怯だよ、窓から逃げるなんて。ごめんね、商人さん。すぐ捕まえてくるから、ちょっと待ってて。くそ。くっそ、どこ行ったんだ。絶対この辺りに隠れているね。女の足じゃ、そう遠くへは行けないだろうし。ね、どこにいるの。出ておいで。俺はそんな気が長い方じゃないんだ。早く出てこないと、大変な目に遭うよ。それでもいいの?ね。お、あんたたち、ちょうどいいところに。あのさ、女を見かけなかった?人間の女なんだけど、この辺りに逃げ込んだんだ。特徴は…そうだな。棒みたいに細くて、声がやたら高くて。えっ、何。俺があんたの家の鶏を蹴った。あ、もう 今そんな話してる場合じゃないんだけど。なんで、邪魔だったからだよ。あんた 道端で鶏を放し飼いにしてたじゃん。目の前を鶏にうろうろされちゃ、邪魔でしょうがない。蹴られたくなきゃ、放し飼いなんかしなきゃいいでしょ。今度は何。えっ、間違った道を教えた?北の方なんてめったに行かないし、うろ覚えだったから、適当に答えただけ。知らないよ。あんたが急いでたことなんて、そんなに大事な用事なら、道くらい調べてから行けば。何、まだ何かあるの。死体を引き取りに行くのが遅れたのは ちょっと寝坊をしただけだよ。寝坊ぐらい誰だってするじゃん。ていうか、そんな朝早い時間に死ぬほうが悪いんだろう。俺のせいじゃない。何も考えずに死んだ あんたの家族が悪いんだ。止まんなくたっていいだろう。はいはい、言われなくても嫌われ者は出ていきますよ。っ、ち、ちょっと待ってよ。なんで卵なんか持ってるんだよ。まさか 俺にぶつける気じゃないよね。やめてよ、お願いだから、ね。あぁ…っ…あんた、あんた どうして。逃げたんじゃなかった、なんで。いやだ、いやだ。怖い…見たくない、見たくない。いやだ、いやだ。助けて。ああ
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シアンが探している人間の女 それが貴女のことだと気づいた村の住人たちは 貴女にも卵を投げつけてきました。シアンと一緒に あなたのことも村から追い出そうとしたのです。貴女はシアンを抱き締め、彼のことを懸命に守り続けました。えぇ、本当に 本当に誰もいない。っ、ハンカチ。もういいよ。いい、いいって、髪まで拭かなくても。その、あんたのハンカチ 汚れるし。それに、俺のことより、自分を気遣ったら。あんたもすっかり汚れてるじゃん。俺を庇ったせいで。ね、目 閉じて。その、俺がふ、拭いてあげるから。っ…いやだ…怖い。大丈夫、平気。平気だって。いいから、あんた黙ってて。これくらいでいいかな。どうして、お礼なんか言うの。あんたはもっと大きな態度でいるべきだよ。被害者なんだからさ。じゃ、俺はもう帰るから。えっ、家まで送るって。どうして。心配って、あんた なんでそこまで。手、いいよ、自分で立てるから。いいってば。あんたの助けなんか要らない。どうしてって。察してよ。これ以上 格好悪いとこ見られたくない。俺だって、男なんだから。大丈夫だって言ってるでしょう。あんたさっきからそればっかりだね。そんなに何度も心配しなくていいよ。もう、だいぶ落ち着いたし。何。【ひえ】と思った。別にいいよ。あんなところ見られちゃったし、今さら隠す気もない。怖いんだ、卵。食べるのはもちろん、見るのも嫌だ。そこにあるってだけで吐き気がする。うん、理由は分からない。というか、覚えてない。気づいた時にはもう。なのに、なんでだろう。時々変な夢を見るんだ。子供の俺が卵を盗む夢。変だよね。俺は卵が苦手なのに、夢の中の俺はなぜか盗んでまで卵を手に入れようとするんだ。なんか どうしてもそうしないといけないような気がして。俺は卵の入った籠を抱きかかえたまま必死で逃げる。最初は太陽がでてたのに、辺りはどんどん暗くなって、そのうち 少し先も見えなくなる。俺は思わず立ち止まって暗闇でじっと目を凝らすんだ。そしたら、そしたら、なんか恐ろしい光景が見えるんだ。分からない。俺の隣には兄さんがいて、とっさに俺を庇ってくれるから。だけど、兄さんは泣いてるんだ。俺を抱き締めながら、声を殺して泣いてる。その顔を見てると、胸が潰れそうになって。つらくて、苦しくて、消えてしまいたくなる。なんであんたがそんな顔するの。そんなつらそうな顔。何言ってるの。俺がつらそうだからって。そんなのは あんたが気にすることじゃないでしょう。変だよ、あんたって。どうしてそこまで 俺のことを気にかけるの。俺は あんたにさんざんなことをしたのに。あんたの鍵を奪ったり、あんたを売ろうとしたり。お金に困ってたんだ。兄さんを助けるために、どうしてもお金が必要で。なんでそんなふうに言えるの。事情があったなら、仕方ないなんて。ね、なんでだよ。どうしてそんなに優しくするの。もっと俺のことを責めて、最低のクズだって罵ればいい。なのに、なんで、どうして俺に優しくするの。俺を庇ったり、助けたりしてくれるの。どうして俺のことを責めないの。ね、どうして。やっぱり 鍵のため?あんたの考えなんか お見通しだよ。あんたは鍵の行方を知りたい。俺が鍵をどこに捨てたか知りたいんだ。だから、俺に優しくして、俺に取り入ろうとしてる。鍵が見つかったら、俺のことなんか簡単に見捨てるんだ。ね、そうだろう。違う?違わないよ。そうに決まってる。信じられるもんか。だって、俺は、俺は…だったら、証明してよ。あんたの言葉が、態度が、優しさが嘘偽りないものだって証明してよ。できる?できるわけないよね。だって、嘘なんだから。あんたは俺を利用したいだけ、俺があんたを利用しようとしたように、そうでしょう。どうすれば、信じ…じゃ、俺のそばにいてよ。鍵探しはやめて、俺のそばにいて。そしたら、あんたのことを信じてもいいよ。へぇ、今 何って言った。わっ、分かったって。じゃ、鍵のことを諦めるの?あんなに必死に探してたのに。俺があんたを信じるまで?なんでそこまでしてくれるの。俺の、俺なんかのために。もう、何もかもよく分からなくなった。あんたのせいだよ、全部
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朝か。はい?おはよう。朝から、どこ行ってたの。あんた 昨日そこのソファーで寝てたよね。洗濯物?あ、本当だ。干してある。今日は天気もいいし、よく乾きそうだ。ん?何。布団も干す。へぇ、いやだ。まだ寝てたい。いいじゃん、別に。毎日仕事頑張ってるんだから、たまにはだらだらしても。ともかく、俺は起きないから。じゃ、おやすみ。ん~いやだ。起きない。起きないってば。まだ寝たいの、俺は。いやだ、いやだ。起きたくない。布団から出たくない、寒い~だから、いやだってば。ちょっ、やめろよ、そんな無理矢理。っ、寒い。ひどいよ、あんた。鬼!鬼畜!っ、朝ご飯。しょうがないな、じゃ、起きてあげる。で、今日の朝ご飯 何。朝からシチューって重すぎじゃない。まあ、いいけど。うん、いい匂い、結構美味しそう。でも、見掛け倒しってこともあるからなぁ。それに、俺を亡き者にしようと一服盛ってる可能(xing)も…あっ、ま、待って。なんで下げるの。もうせっかちだな。今 食べようとしてたとこだったのに。あ、そうだ。ね、そのシチュー 食べさせてよ。俺を無理矢理起こしたんだもん。それくらいしてくれたっていいだろう。ほら、早く。あんまり待たせるなら、代わりにあんたのことを食べちゃうよ。あ、おいしい。うん、あんたって 料理上手なんだね。ちょっと 悔しいけど、認めてあげる。そんなに喜ばなくても。あんたってさ、笑うと雰囲気変わるよね。なんかずるいよ。そんな顔するなんて。どうしてって、そんなの分からないよ。ともかく、ずるい。ね、あんたさ、いつまでここにいるの。いい加減 鍵を探しに行かなきゃいけないんじゃないの。その、そばにいてって言ったのは 俺だけどさ。ね、前から 聞きたかったんだけど、なんでそんなに鍵がほしいの。二束三文にもならないがらくただよ。そんなもの持ってたって、しょうがないだろう。なのに、どうして。扉の先へ進みたい。なんで。扉の向こう側に何があるの。へぇ!分からないのに行きたいの?大切な約束か。それって、誰としたの。どんな約束。あんた 本当に大丈夫?大切だって言うわりに、どんな約束かも覚えてないなんて。まあ、いいけど。俺には関係ないし。シチュー冷めちゃったね。温め直さないと。あぁ、もう昼か。あんたと話してると、すぐに時間が過ぎるな。もう少し話していたいけど、そろそろ 仕事に行かないと。これ?鎖だよ。死体を運ぶ時に使うんだ。村と墓地は離れてるから、毎回大変だよ。ね、あんたどうするの。本当に?本当にここで待ってる?確かに 昨日も一昨日も待っててくれたけど。でも、今日もそうだとは限らないでしょう。信じる?あんたを?無理だよ、そんなこと。なんの下心もないのに、俺に優しくするなんて信じられない。うまく隠してるけど、何かあるに違いないんだ。でなきゃ、俺に、俺なんかに優しくしてくれるはずがない。ご飯を作ってくれたり、話し相手になってくれたり、そんなことをしてくれるはずがない。どうして。なんでそんな悲しそうな顔をするの。泣きたいのは俺の方だよ。あんたのせいで、もう頭の中ぐちゃぐちゃだ。なんなんだよ、あんた。なんで俺の前に現れたの。なんで余計なことをするの。なんで。ね、なんでだよ。触るな!やっぱり信じられない、あんたのことなんて。あんたはそうやって 俺のことを気遣うふりしてるだけ、本音は別のところにあるんだ。そうでしょう。きっと 俺の目を離したら、あんたはここを出ていく。俺と過ごしたことも、俺に優しくしたことも、全部なかったことにして、俺を見捨てて出ていくんだ。何って、あんたを繋ぐんだよ。この鎖で身動きできないようにね。うるさい!何度も言ってるだろう。あんたのことなんて信じられない。あんたの優しさなんて全部嘘だ。だって、そうだろう。俺みたいなやつに優しくしてくれる人なんているわけない。俺は、俺には優しくされる資格なんてないんだから。どうしてって。そんなのは あんたが一番知ってるはずだろう。俺はこんなやつなんだよ。ひどいことをする。ずるいことをする。その俺が人に優しくされていいはずがない。否定されて、罵られて、責められなきゃいけないんだよ。ね、言って。俺のことを、ひどいやつだって。俺なんかに優しくするわけないって。そう言ってよ。っ、何って。どうして あんたは俺を否定しないの。こんな目に遭って、まだ俺に優しくしようっていうの?理解できない。あんたのこと、何一つ分からない。もう、いい。俺が帰ってくるまで、そこで大人しくしてて。ね、ううん、何でもない
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その日、俺は仕事をサボって、一日中土手に座っていた。これ、いつ返そうかな。俺はポケットから取り出した鍵を見つめた。以前 俺があんたから奪い取った鍵だ。溝に捨てたと言ったけれど、本当は捨てずにこっそり取ってあったのだ。クロスケ、お前 この鍵気に入ってるよね。本当に光り物が好きなんだな。違う?じゃ、なんで狙ってるの。リンゴの髪留めよりお気に入りじゃん。特別なものだから?ん~俺にはただのがらくたにしか見えないけどな。俺は三本の鍵を空に翳すと ぼんやりと考えた。もしも、この鍵を返したら、あんたはどうするだろうと。あんたは先へ進みたいと言っていた。大切な約束を果たすために。それなら、この鍵を返すわけにはいかない。だって、鍵を返したとたん、あんたはいなくなってしまうから。俺の知らない誰かと交わした約束のために。すぐにでも俺のもとを去ってしまうに違いない。そんなのいやだ、絶対に。うん、そうだね。そろそろ帰ろうか。あの子が待ってる
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[j]Y5ALM RPJB8C[/j]ただいま。元気ないね。その、大丈夫?ね、聞いてるの?返事してよ。ぐったりしてるね。まあ、一日中鎖に繋がれてたじゃん、そうなるか。そうだ、お土産買ってきたんだ。ジャン、イチゴだよ、おいしそうでしょう。帰りに村によって買ってきたんだ。うん、まあ、ちょっと村の人に睨まれたりはしたけど、卵をぶつけられたりはしなかったから、大丈夫。また 俺の心配 してくれるんだ。あんたって やっぱり変だね。そんな状態になっても、まだ俺のことを気にかけるなんて。どういう育ち方をしたら、あんたみたいなお人好しが出来上がるの。てあんた 記憶がないんだっけ。人間で女で、おまけに記憶がない。そんな人生、俺ならいやだな。絶望して、自分から墓   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に入りたくなるかも。あんたはそんなふうに思うことはないの?そうだよね。あんたには大切な約束がある。絶望なんてしている場合じゃないか。あのさ、そのことなんだけど。あんたの探してる鍵のこと、ほら、前に俺が捨てちゃったやつ。それで、あの。やっぱり 何でもない。何でもないってば。あ、ほら、イチゴ食べよう。お店の人に聞いたんだけど、朝取れたばかりのイチゴなんだって。きっとおいしいよ。手 繋がれたままじゃ、食べられないよね。じゃ、俺が食べさせてあげる。はい、あー。もう、何してるの。早く口を開けて。でないと、こうするよ。はい。どう、おいしい?いいな、そのとろんとした目。もっと食べたくなる。イチゴじゃないよ、あんたの唇。甘いな、あんたの唇。イチゴの味がする。柔らかくておいしい。ダメ、止められない。ね、このまましようよ。動けない分、優しくしてあげるから、ね。ふふ、冗談だよ。そんなに嫌がらなくたっていいじゃん。もう、機嫌直してよ。イチゴ、もう一つ食べる?へぇ、要らないの?どうして、食欲ない?そうだよね。鎖で繋がれて、こんなところに閉じ込められてたんじゃん。気分も滅入るよね。ね、よかったらさ、明日ちょっと出かけない?少し行ったところに綺麗な湖があるんだ。気晴らしに散歩でもしようよ。じゃ、今日はもう休もうか。えっと、鎖繋いだままでも寝られる?なら、手だけ繋いでおいてもいい?だって、不安なんだよ。あんたがいなくなるかもしれないと思うと。だから、ね。いつ来ても、いいところだな。水は綺麗だし、空気はおいしいし。   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   気な墓地とは大違いだ。ふん、毎日ってわけじゃなけど、たまに仕事帰りに寄ったりするんだ。夕方に来ると湖に夕日が映って、すっごく綺麗なんだよ。あんたにも見せてあげたいな。そっか。じゃあ、今日は夕方までここで過ごそうよ。まだ、だいぶ時間はあるけど。あんたと話してたら、きっとすぐだし。あ、この辺 少し土がぬかるんでいるから、足元に気をつけ…あっ、と。大丈夫?もう、言ってるそばからつまずくんだから、どじだな。手、しょうがないか。手を鎖で繋がれてたんじゃ、歩きにくいよね。ね、この鎖 外してあげようか。うん、でもその前に 一つだけ聞かせて。もし、もし俺が捨てた鍵が見つかったら、どうする。あんたは大切な約束があるって言った。そのために、扉の先へ進みたいんだって。もし、鍵が戻ってきたら、やっぱりあんたは行ってしまうの?ね、どうして黙ってるの。なんか言ってよ。言わなきゃ、分かんないだろう。ね。やっぱり 行くんだね。鍵さえ手に入れば、俺のもとから去ってしまう。そうだろう。何が違うんだよ。黙ってるってことはそういうことだろう。前に俺が捨てた鍵 こっそり取りに行ったんだ。あんたが俺のそばにいてくれるって言ってくれた。返してもいいかなんて思ってた。でも、こんなもの!見た?鍵 なくなっちゃったね。湖の底に落ちちゃった。あんたが悪いんだよ。先へ行くことしか考えてないから。だけど、これでも、あんたは先へは行けなくなった。ずっと、ずっと俺と一緒だ。ね、聞いてるの?さっきからぼーっとして。そんなに湖を見つめてでも、鍵は返ってこないよ。もう 諦めたら?っ、ちょっ、ど、どこ行くんだよ。まさか。おい、やめろ。やめろって。あ、こんな、やめろって言ってるだろう。聞こえないのか。なんでそんなに泣くの。鍵を失ったのがそんなにつらいの。っ。分かった。俺が行くよ。鎖に繋がれたまま 湖に入る気?そんなの無理だよ。まして、あんたはどじなんだから、溺れるに決まってる。俺はあんたの死体を埋めるのがいやだ。俺が行くから、あんたはここで待ってて。 あと一本か。あった。はい、見つけたよ、三本とも。えっ、顔色?あ、ずっと 水に浸かってたから、少し冷えたもかも。いいよ、一人で帰れる。だから、あんたは先へ行きなよ。あ、その前に 鎖、外してあげないとね。はい、あんたはもう   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   だ。その鍵を持って、約束を果たしに行きなよ。わぁ、寒い。何。俺の体 温めようとしてくれてるの?あんたって 本当…
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[j]Y5ALM RPJB7V[/j]十一
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?うん、大丈夫。その、ごめん、迷惑かけて。服?そうだね。びしょ濡れだし、脱がないと。どうしたの。額なんか触って。熱?そっか。それでさっきからだるかったんだ。うん、じゃ、ベッドで休む。どこ行くの。お湯を沸かす?待って。いいよ、お湯なんか沸かさなくても。それより、俺のお願い聞いて。ここにいて、俺のそばから離れないで。ね、手 握ってよ。あんたが手を握ってくれたら、よく眠れる気がする。体のだるさも 忘れられる気がするんだ。だから…ありがとう。温かいな、あんたの手。凍った指先が溶けていくみたい。すごく優しい感じがする。なんだかほっとするな。今日は あの夢見なくて済むかも。前に話したでしょう、俺が卵を盗む夢。あの夢を見た後はいつも胸が苦しくなるんだ。俺が卵を盗まねければ、あんなことにはならなかった。あんな恐ろしいことは起きなかったし、兄さんを泣かせることもなかった。全部 全部俺のせいだ。何もかも 俺が悪いんだ。そう思ったら、苦しくて、心が壊れそうになるんだ。俺さ、あんたと少し似ていて、所々記憶がないんだ。昔のことを思い出そうとすると、霞がかかったように頭の中がぼんやりする。だけど、一つだけずっと心に残ってることがあるんだ。罪を犯した 悪いことをしたんだって気持ち。どうしてかは分からない。どんな時でも、何をしていても、その気持ちがずっと追いかけてくるんだ。世界中の人が 俺のことを責めてるように感じる。何度も、何度もあの恐ろしい夢を見る。その度に俺は自分が許せない気持ちになって、生きていてはいけないような気さえするんだ。そんな俺が人に優しくしてもらえるわけないじゃない。怒られたり、責められたりすることがあっても、優しくなんてしてもらえるはずがない。優しくされちゃいけないんだ。俺にはそんな資格なんてないんだから。えっ。あんた 俺の話 聞いてた?俺には優しくされる資格なんてないんだ。あんたが いくら優しくしてくれても、そばにいるって言ってくれても、俺は信じられない。信じちゃいけないんだよ。なのに、そんなふうにされたら、抱き締められたりしたら、信じたくなるじゃん。あんたのことを…あんた、やっぱり変だよ。なんで こんなやつにそんなに優しくできるかな。後ろ向きだし、すぐ人のせいにするし、最低じゃん、俺。俺さ、人のせいにしないと、堪えられなくなっちゃうんだ。自分を責めてたら、胸が苦しくて、息もできなくなる。だから、つい 誰かのせいにしてしまうんだ。人を責めてる時だけは 自分を責めなくて済むから。本当に 最低だよね。なんて自分勝手なんだろう。そんなやつにさ、優しくなんかしちゃ、ダメだよ。えっ。そんなふうに言ってくれたのは あんたが初めてだよ。人を責めながら、本当は自分を責めてたなんて。そんなことは 気づかなかった。なんでこんなに苦しいんだろう。もう、何も考えたくない、消えてしまいたい。いっそ、本当のカカシみたいに。頭の中が空っぽになってしまえばいいのに。そしたら、きっとこんなに苦しまなくて済むのに。えっ、今 何って。自分を責めないで?変なの。前にもどこかで 同じ言葉を聞いた気がする。その時も こんなふうに 温かな気持ちになった気がする。俺 もう苦しまなくていいかな。自分のことを責めなくていいのかな。ありがとう
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朝か、いつの間に 寝ちゃったんだろう、俺。熱は下がってるな。いないか。そうだよね。鍵が戻ってきたなら、もう ここにいる理由なんてないし。昨日 看病してくれたのも、もしかしたら、幻だったのかも。えっ。あ、おはよう。朝ご飯だよって。ち、ちょっと待ってよ。なんで あんたがここにいるの。鍵を持って、出ていったんじゃないの。そんなのは 気にすることないのに。熱なんてそのうち下がるし、そもそも、あんたが心配することじゃないだろう。ごめん、今のは嘘。あんたがいてくれて、その、嬉しい。ありがとう。うん、今日の朝ご飯 何?へぇ!お粥。いやだ、お粥って味ないし。別のものにしてよ。病み上がりって、もう 熱もないし、大丈夫だよ。なんでだよ。ちょっとくらいわがまま聞いてくれたっていいじゃん。大体 誰のせいで熱出したと思ってんの。あんたの鍵を取りに行ったからでしょう。全部あんたのせいなんだから、責任とっ…ごめん、俺の悪い癖だね。本当は自分が悪いって分かってるのに。すぐ 人のせいにして。えっ。あんた 本当に優しいね。何も言わずに隣にいてくれるなんて。きっと そんなあんただから、こんなふうに思うんだろうな。あんたになら、俺の全部を見せてもいいって。心の深い部分まで、あんたになら、曝け出せるって。あんたは俺を否定しない、全部 受け止めてくれる。今なら、そう信じられる。ごめん、急にこんなことをして。だけど、そのまま聞いて。大事な話なんだ。前に嘘ついちゃったから、こんなことを言っても、信じてもらえるかは分からないけど。でも、今度こそ本当なんだ。嘘偽りのない気持ちをあんたに伝いたい。好きだ。どうしようもないくらい。あんたのこと 好きだ。あんたは同じ気持ちじゃないかもしれない。それでも、俺はあんたが、あんたのことが好きなんだ。えっ、本当?あんたも俺のこと 好きって。俺に気を遣って言ってるだけじゃないの。あんた優しいから。っ、本当なんだね。ダメ、もっと。なんか、やっぱりまだ信じられない。ね、あんたは俺のどこが好きなの。好きって言っても、いろいろあるでしょう。ね、言って。俺のどこが好き。教えてよ。言えないって、どうして。やっぱり 俺のことなんか…じゃ、言ってよ。あんたは俺のどこが好きなの。知りたいんだよ、あんたの気持ちが。あんたがどれくらい俺を思ってくれているのか知りたい。できるものなら、あんたの胸を開いて、心の中を覗き込みたい。不安なんだよ。俺ばっかりあんたのことが好きなんじゃないかって。俺ばっかりあんたを求めてるんじゃないかって。俺はあんたのこと 全部好き。あんたの顔も、声も、どじなところも、優しいところも全部。ね、あんたは 俺のどこが好き。教えてよ。この唇で言って。本当に?本当に全部好き?ひどいことも、ずるいこともするけど、それでも、俺のこと好き?そんな俺でも好きになってくれるの?好き、好きだよ。大好き。ね、口 開けて。あんたのこと もっとほしい。もっと繋がりたい。だから…目眩がしそう。熱?違うよ。あんたとキスするのが気持ちよすぎて、ぼーっとするって話。ほら、次はこっち。なんで そんな甘い声を出すの?そんな声出されたら、止まんないだろう。ね、ここにもキスしていい?あんたの白い肌に跡を残すのが忍びないけど、でも もっとあんたに触れたいから。俺 こんな気持ちになったことがないんだ。こんなに強く誰かを求めたことなんてない。この世界は女が少ないからかもしれないけど。たぶん そういうことじゃなくて、俺は誰かを思う資格すらない。こんな罪深い身で 誰かを思うことなんて許されないと思ってたんだ。だから、何って言っていいか分からない。好きっていう以上に、言葉が出てこない。うまく言えないから、その分 あんたに触れたいんだ。ダメ?そういう顔 本当ずるい。そんなふうに真っ赤になったって、もっと好きになるだけだよ。ここも。ここも。ここにも していい?だって、あんたのここ こんなに熱くなってる。それって、俺のことを求めてるからでしょう。それとも、俺の勘違い?勘違いじゃないなら、いいよね。すごい、溶けそう。ね、そのままじっとしてて。動くなよ。ダメだってば、力は抜いてて。あんたって、温かいんだね。この手も温かいんけど、ここはもっと温かい。なんか、今さらだけどさ、ちょっと恥ずかしいな、こういうの。朝からこんなことしてるなんて。なんかいけないことをしてる気がする。でも、おかしいな。今までみたいに 自分を責めようとは思わない。たぶん あんたがそんな顔をしてるから、そんなふうに 幸せそうな顔をしてるから。ダメだよ、まだ。もっと、深いところで繋がりたいから。ここがいいの?じゃ、忘れないようにいっぱいしておかないとね。あんた 絡みついてくる。俺のこと 全身で求めてる。分かるよ、切ないくらい。ね、好きだよ。言葉にできないくらい。大好き。ずっと、ずっと、大好きだよ。だから、このまま一緒に いいよね。おはよう。と言っても、お昼だけどね。ダメ、行かせない。だって、まだ全然足りないし。もっとあんたとこうしてたい。あんたの髪 さらさらだね。銀の糸みたいで、すごく綺麗。売ったら、いくらになるかな。なんってね、そんなことするわけないじゃん。あんたを売るようなことは二度としない。どんなに頼まれたって、絶対渡さないよ。あんたは俺の、俺だけのものなんだから。でも、まあ、確かにお金には困ってるな。今の稼ぎじゃ兄さんへの仕送りもままならないし、いっそ転職でもしようかな。ん?うん、そうだな。言ってみたものの、あんまり思いつかないな。ずっと墓守やってきたから、それ以外のことってなると、きっとすぐにはできないし。そういや、俺っていつから墓守やってるんだろう。ん、覚えてないというか、なんか変なんだよね。ほら、昨日も言ったでしょう。あんたと同じで、俺も昔のことが思い出せないんだ。なんかこう、思い出そうとすると、何かに邪魔をされる感じ。でも、変なのは それだけじゃないんだよな。俺 兄さんがいるからさ、兄さんに聞けば、何か分かるだろうと思ったんだ。でも、兄さんも昔のことをよく思い出せないって。それで、今度は幼馴染のハル君とチカ君とケイ君にも聞いてみたんだけど、やっぱり三人とも同じことを言うんだ。アイルさんにも聞いてみたいんだけど、あの人 最近城に引きこもって出てこないし。まあ、今度 会ったら聞いてみようかな。ね、あんたってさ、本当に何も覚えてないの?確かに 俺も記憶が曖昧だけど、家族とか、友達とか、この世界のことはちゃんと覚えてる。あんたは?なんか少しくらい思い出せたりしない?そっか。ずっと疑問だったんだけどさ、あんたって どこから来たんだろうね。人間の村から来たのかと思ったけど、そういうわけでもなさそうだし。じゃ、やっぱり外の世界から来たのかな。オズの世界の外側には 別の世界があるって言われてるんだ。誰も行ったことはないから、どんなところか分からないけどね。人間たちはもともと外の世界に住んでたんだって。それが いつの頃からか オズの世界に勝手に住み着いちゃって。だから、もしかしたら、あんたも外の世界から来たのかもね。大切な約束っていうのも 外の世界の誰かと交わしたものなのかも。だよね、あんたは記憶がないんだし。そんなこと言われても、分からないか。ね、あんたの探している鍵って、あと何本だっけ。三本か、結構大変だな。あんた これからも一人で鍵を探すつもり?記憶のない女が一人でやっていけるほど、この世界は甘くないよ。だから、その、俺と一緒に暮らさない?あ、もちろん、鍵を探すのも手伝うよ。あんたが先へ進むのを止めたりはしない。だけど、それまでは、鍵が見つかるまでは ここにいてくれないかな。お金はないし、楽な暮らしはさせてあげられないかもしれない。俺は 村の人から嫌われてるし、墓守なんて暗い職業だから、いろいろと言われることもあるかもしれないけど。でも、絶対にあんたのことを守るから。あんたのことを傷付けさせたりしないから。俺が言っても、あまり説得力ないかな。えっ、本当?じゃ、これからも一緒にいてくれる?なんだろう、急に不安になってきた。だって、今までこんなに幸せだったことなかったから。なんかこう、落ち着かないっていうか、明日にはこの幸せが消えてなくなってしまうんじゃないかって、そんな気がする。そうかな。うん、あんたがそう言うなら、そう思うことにする。あっ、どこに行くの。顔を洗いに?あ、待って。ダメ、行かないで。お願い、ここにいて。それは 確かに約束したけど。でも…っ、信じてか。分かった。あんたのことを信じる。あんたは俺を見捨てたりしない。俺を置いてどこかへ行ったりしない。あんたの優しさは本物だって。今なら 信じられるなら。お礼を言うのは俺の方だよ。ありがとう。あんたのおかげで、俺も前に進めそうだ。本当に ありがとう。ね、待って。一つだけ言わせて。いや、別に 今言わなくてもいいことなんだけど。なんか、どうしてもいいたくて。ずっと 考えてたんだ、好き以上の言葉。俺はあんたのことを愛してる。ずっと、ずっと、愛して。目の前で起きた光景に 貴女は思わず立ち尽くしました。彼の周りが淡い光に包まれたかと思うと、彼の姿が少しずつ薄れていったのです。まるで 手の平から砂が零れ落ちるように さらさらと。貴女は思わず彼の方に 手を伸ばしました。けれど、その手が彼に届くことはありませんでした。彼はそっと微笑むと、光の泡とともに消え、やがて彼の心臓の位置からは鍵が一つ落ちました。そう、貴女が探し続けていた あの不思議な扉の鍵です。   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に落ちた鍵の前に 貴女は力なく崩れ落ちました。どこへも行かないと約束したのに、彼がいなくなってしまうなど、考えもしませんでした。とめどない悲しみが 貴女の胸に押し寄せます。次々と溢れてくる涙を拭うこともできず、貴女はただ泣き続けました。と その時。『泣かないで。俺も前に進むから。だから、顔上げて。』どこからか 彼の声が聞こえてきて、貴女はふと 顔を上げました。彼の姿はどこにも見当たりません。けれども、それは確かに 彼の声でした。大粒の涙を零しながら、貴女は彼の残した鍵にそっと 手を伸ばしました。扉の先へと進むために[j]Y5ALM RPJB7Q[/j]

[j]Y5ALM RPJB7M[/j]十三
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[j]Y5ALM RPJB7Q[/j]ずっと、ずっと暗い闇の中にいた。なぜかは分からない。気づいた時には すぐ目の前も見えないほど 真っ暗の闇の中にいた。俺にはそこが牢屋のように思えた。俺が悪いことをしたから、俺が 罪を犯したから、そこに閉じ込められているんだと。俺はそこから出たいはずなのに、なぜか出てはいけないような気がした。光の当たる場所に出てはいけない。幸せになってはいけない。俺には そんな資格はないのだから。そう思うと、もう何もかも信じられなくなった。人の優しさも、温もりも、誰かに好意を向けられる度 俺はその気持ちを疑って拒絶した。俺にはそんな資格はないのだからと。俺は責められ、苦しまなければいけないだからと。けれど、次第に俺は その気持ちに耐えられなくなっていった。胸が潰れそうで、息もできなくなった。だからだと思う、俺はいつしか自分を責める気持ちを外に向けるようになった。うまく行かないことがあると、人のせいにしてしまう。俺は悪くない、あいつが悪いんだと。頭の中で 話を書き換えて、罪悪感から逃れようとした。人を責めている時だけは 自分を責めなくて済むから。でも、それは決して救いにはならなかった。そうやって、人のせいにする度に 俺はますます罪悪感に駆られた。人は俺のことを嫌ったけれど、一番俺を嫌っていたのは俺自身だった。俺は人を責めながら、自分のことを責め続けていたんだ。つらくて、苦しくて、消えてしまいたくなることもあった。いっそ カカシみたいに頭が空っぽになって、何も考えられなくなってしまえばいい。あの悪夢を見る度 そんなふうに思った。だけど、俺はカカシにはなれない。何も考えないで生きることなんてできない。結局俺は この苦しみから逃れることはできないのだろう。諦めにも似た気持ちを覚えながら、俺は日々を過ごしていた。あんたに出会ったのは そんな時だった。最初は あんたの優しさが信じられなかった。疑って、疑って、それでも あんたは俺のことを見捨てなかった。大事な探し物をやめてまで、俺のそばにいてくれた。俺はひどい仕打ちをしたのに、あんたはやっぱり優しいままで、俺のことを抱き締めてくれた。そんなふうにされたら、もう信じないわけにはいかないよね。あんたのこと 好きにならないわけにはいかないよね。ありがとう。あんたに出会えて 本当によかった。それから、ごめん。あんたのことを信じられなくて、何度も何度も数えきれないくらい傷つけて、本当にごめん。そんな俺だけど、もし許されるなら、これからもあんたのそばにいたい。一番近くであんたのことを見守らせてほしい。あんたのことを愛したい。ダメかな。もし あんたがいいよって言ってくれたら、すごく幸せ。これ以上はないっていうくらい、すごく、すっごく幸せだよ。その鍵、それを手にしたら、あんたと俺はずっと一緒にいられる。その代わり、俺といた記憶は全部なくなっちゃうけどね。俺は あんたに幸せになってほしい。ちゃんと自分の願いを叶えてほしいんだ。だから、あんたはその鍵を得て、先へ進んで。俺の手を握ってくれたその優しい手で 真実の扉を開けて、あんたの大切な約束を果たしてほしい。ほら、泣かないで。あんたは笑ってるほうがいいよ。泣いてる顔も綺麗だけど、やっぱり 笑ってるほうがずっといい。だから、お願い、笑って。俺が大好きなあの笑顔を見せてよ。そう、それでいい。大丈夫、きっと 大丈夫だよ。何も怖がることなんかない、信じて。あんたの進む先には きっと希望があるから
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